私が証券会社時代に受けた先輩の言葉で、今も守っているモノがあります。

それは、「前川なあ、債券は金利の高いときに投資するモノだよ。もし、デフォルト・破綻しない発行体の債券で8%の利回りを超えていれば滅多にないチャンスなのだから目をつぶって、斜めになってもお客さんに買っておいてもらえよ。きっと後で感謝されるから・・・・」という言葉。


 当時、2年から5年程度に償還を迎える日本の国債が8%に近い水準で当たり前に買えた時代でした。

金利が高くなるという時期はインフレ懸念があったり、将来が不安になる時期と重なるので、投資家としては投資に躊躇してしまう時期ではありますが、そのときこそ、助言者としては検討を促す役割を果たすときだと思います。


 当時、国債に投資して頂いたお客さんには大変感謝されました。


 本日、日経新聞に「スペイン・イタリア国債利回り低下」という記事がありました。2011年秋から始まったユーロ危機でイタリア、スペインの10年国債利回りが8%を超える危機水準から、危機前の4%水準まで低下してきました。私は、ポルトガルやギリシャとは異なり、スペインやイタリアの国債が2,3年で利金の支払いも滞るようなデフォルトになるとは思えず、私のクライアントには特に3年程度で償還を迎えるスペインのソブリン債で8%を超える豪ドル建て債券をお勧めしました。当時、実際、投資されたクライアントは皆さん喜ばれていると思います。


 そして今、新興国の一部では償還まで短期間の国債利回りで8%を超えているものが存在します。償還までの期間に、「デフォルトになる可能性がどれほどあるのか」を検討し、その心配には及ばないと考える人にとっては前向きであっていいように思います。


「この状況だったら安心だ。金利もそこそこ高いし、いいんじゃない」とみんなが考える頃には、金利は大きく低下した後ですし、外貨建てであれば円安が進んだ後ということが往々にしてあることです。


 この水準から株式投資で思い切って投資する勇気があるなら、新興国国債で確実性が高いモノを吟味したほうがリスクとリターンのバランスがいいように思います。ちなみに、現水準のイタリア国債、スペイン国債にはあまり魅力を感じていません。