投資は長期投資が望ましい。短期売買は投資家の為にならず厳禁とすべし。短期売買を行う投資家が多い金融機関はけしからん。


「短期売却は投機であり、資産形成は長期投資でこそ根付く」


 確かにそういう面はありますが、投資にこうあるべきとルールをはめて投資家の行為を規制するあり方は投資を不自由にさせて投資人口を減らす懸念があると考えます。規制をかける際には、それで迷惑をかける投資家はいないのか。そして、どうしたら、その投資家のニーズを救えるのかという配慮が同時にされるべきだと思います。


 年金受給者や教育資金がかさむ時期の人にとっては、「毎月の分配金の支払いを頼りにしていて、ありがたい」と毎月分配型投信のニーズは高い。しかし、最近では長期の資産形成を促すNISAの登場で、運用会社は「毎月分配型」から「年1回分配(分配金を抑えて再投資する)」タイプの投資信託の設定がブームになっています。


 そこには別段の問題があるわけではありません。問題は「1年以内の短期売却」を問題視する規制です。毎月の分配金の支払いを当てにしていた投資家は、必要な資金額を自分で判断でして売却の指示を出さないとならなくなるということです。そこに「1年以内の短期売却は問題あり」というルールを決められると、金融機関はお上の目を気にして、そういうニーズのある投資家であっても知らぬ振りをするケースが増えると考えるのが普通です。


 分配金の源泉が利益ばかりではなく、元本を取り崩しているものだと正しく認識していて、「元本の取り崩しだけど、生活の足しになり助かっている」という人もいて、そういう人は自分で指示をしなくても、自動的に必要な資金が支払われる仕組みに喜んでいた。

 そういう理解の深い人でも、自分で判断して必要額分だけ売るというのは難しい。投資信託にも値動きがあるので、「今売るときか」を考えなければならないからだ。自動的に売却してくれた毎月分配型であれば悩むことがなかったのである。


 そこで各金融機関に求めたいのは、投資家が売却金額を指定すれば、機械的に指定額を売却する「定時引き出しサービス」を当たり前のサービスとして整備して欲しい。そして、お上は「定時引き出しサービス」を利用した売却は短期売却から除外することを認めてもらいたい。


 「短期売却だから悪い」わけではなく、「短期売却に意味がない行為」が問題なので、一斉一様に止めるのではなく、問題行為を事後にでもきっちり罰していく方法が王道なのではないでしょうか。