「株式買い」の大合唱で始まった2014年相場でしたが、ここにきて、「なぜ株式相場が急変したのか」を説明するためのコメントばかりが目白押し。ついこの間までは、グレートローテーション、債券売り・株式買いを前提にしたシナリオに花が咲いていたのに今はその話は立ち消え。半年前はアジアの時代、インドネシアの株式などとあんなに勧めていたのにだんまり、「新興国から資金が引き上げられている」という説明ですべての動きを片付けようとしているようにも見えます。


 「やっぱり、そうだったか」と結果を見て、説明するコメントが誰の役に立つのでしょうか?


 クライアントに対して私が心がけているのは、「その人がどうしたら、投資にめげず、長く続けてやっていけるのか」、そのために今どんな声がけをしたら良いかです。


 そのために大事なことは、「今後はどうなっていくか」を話し合うこと。先が見えないから不安に思うのです。今後の見方の当たり外れはあまり問題ではなく、将来また、「なぜ当たらなかったか」を検証して、また先のことについて話し合います。


 「株価が下がりました、上がりました」、「為替が円高になりました、円安になりました」とその時点の事象でどうしようかと考えるのではなく、「やはり円安になりましたが、今後も同じ考えでいいのか」「逆の展開になりましたが、今後も同じ考えで良いのか」と目線を先に置くことが、不安と焦りを呼び込まないコツだと思っています。


 「前川さんはずっと新興国債券が投資先として有望だと勧めていますが、今でも変わりありませんか?」という質問をよく受けるようになりました。私の考えは変わっていません。

①今後も株高は続く

②今後もドル高・円安は続く

そうすれば、いずれ株高・ドル高の受け皿になる投資対象を求める投資家が増えて、その人たちが最後の受け皿として「金利が高く、通貨安で放置されている」新興国国債を選ぶようになると考えるからです。


 私は3年前のユーロ危機の時に、「今はスペイン国債に投資したい」と広言していました。イタリア国債が大きく売られ10%を超える異常金利になり、スペインも同様に売られると見られていたときです。そのイタリア国債もスペイン国債も現在は4%を割り込む当たり前の金利水準となり、当時投資された方々は大喜びです。

 私は新興国国債のブラジルやトルコがこの5年間程度の期間でデフォルトになる国だとは考えていないので、ユーロ危機当時のスペイン国債を勧めたように、こうした国の金利が高くなることや通貨安になることはプラス要因だと思っています。新興国国債の投資信託に投資している人の多くは現在評価損を抱えていて投資に慎重になってしまうのは理解しますが、その結果を見るだけではなく、「評価損は当時よりも割安に投資できるということか」と発想の転換をされたほうがよいと思います。


 債券は株式とは異なり、デフォルトがなく満期になれば、途中どんなに評価損があっても現金でもどってきます。「評価損だったものが額面に戻る」ということは、評価損を抱える投資環境は債券投資でも「値上がり利益」が期待できる数少ないチャンスということです。結果ばかりにうなだれず、前向きな見方を模索する時期だと思います。