内閣府は、昨年末に予測した14年度の実質ベースの成長率1.4%から1.2%に下方修正しました。甘利大臣は、足下の景気動向について「アベノミクスにより、賃金もボーナスも10数年ぶり、何十年ぶりの改善が生まれ、経済の好循環が回りつつある」と、これまで同様に先行きも回復するという見立てを崩さないとコメントしたと日経新聞の記事に載っていました。


 民間の14年度予測は0.85%で、政府と民間の見方にまだだいぶ差があります。


昨年の7月以降の主な経済記事を読み返してみると、参議院選挙を控えていても旺盛な高額商品やマンション、車などの売れ行きに影響はなく、選挙後は更に、消費税引き上げを控えた駆け込み買いへとつながっていく様子が見て取れます。そういう意味では、昨年との比較で消費の鈍化が目立つのはこれからで、先行きに強気でいられる根拠を知りたいものです。


 何度も繰り返された「消費税引き上げ後の影響は想定以下のものにとどまる」という政府発表は、民間の消費税引き上げの反動減に対処した必死の努力の結果であったにもかかわらず、まるで政府の政策が立派に機能した結果だと言わんばかりの態度が非常に傲慢に見えたのは私だけでしょうか。


 年金の運用改革や日銀によるもう一段の金融緩和、NISAの運用弾力化、教育贈与の非課税延長など、目先の株価対策になりそうなことを小出しにして、なんとか株価を引き上げようと株価しか見ていない。株価が上がらない要因は、声ばかり大きくて具体的な成長戦略の実行をなされていないからであり、このマーケットの不満をそらして、「株価を上げる材料を提供していればいいんじゃないの?儲かればいいんじゃないの?」とマーケットを甘く見たら、かならず痛いしっぺ返しにあう。


 中国と同じように、政府の発表数字が信じられなくなったら、投資どころではなくなる。集団的自衛権で見せた、あの粘りを成長戦略でも見せて欲しい。数字は結果であり、時間が経てば真実が明らかになりごまかしは効かない。


 「私が弱気な見通しを立ててどうする」と甘利大臣は言いたいのかも知れないが、あなたに望むのははったりではなく、実行である。