私が想定していた以上に、円安・ドル高に振れやすくなっています。個人的には、このまま一気に110円の大台を目指す展開までは期待できず、円高期待がかなわず、あきらめて、少しずつ現在の為替水準に目が慣れてくるドル高・円安基調の地固めの時期に入ったと思います。


 ドル高の根拠がいくつも羅列されるようになってきましたが、やはり一番大きいのは、米国が量的緩和策の縮小を完了させた快挙、サプライズに対して、日欧はいまだに緩和策の拡大しか議論に上らないといった国の金融財政政策に対する余地・幅の違いによるものだと思います。


 したがって、これまでの無理が通らなくなって、異常事態の修正が図られていくのだと思います。まずは日米欧の実態からかけ離れた異常なゼロ金利状態が修正されていき、追って、ゼロ金利に支えられたリスク資産の高止まりが修正されていくのだと思います。


 企業にとっては、人件費や輸入材料のコストアップは利益の確保を難しくしていきます。この環境が続く中で、昨年のように社員が満足するような賃上げ・ボーナスアップに応えられる企業はほんのわずかにとどまり、企業も個人も利益なき繁忙に追われる可能性が高くなってきました。


 これに対して、打開策は余計な規制を排し、意欲とアイディアがあるものの活力を応援する成長戦略の具体的な実行であるべきなのに、そこは脇に置いて、安倍総理と黒田総裁がいかにも思わせぶりな会談を行う小手先の相場刺激策を弄するばかりで、相変わらず、市場をなめた対応の繰り返し。


 やはり、市場をなめた結果の手痛いしっぺ返しを受けないと政府の危機感・本気度が期待できないのが残念です。「根拠のない過度な円安は日本にとっては迷惑だ」と麻生大臣がコメントする日はそんな先ではないと思います。