私が注目しているのは、割高になってしまった欧州資産が資産防衛のためにどこに散っていくのかという点です。どう考えても、2012年には国の破綻さえ懸念された欧州の国債が米国国債の利回りを下回る状況や高止まりしている欧州株価、不動産の状況が長続きすると考えるのは不自然だと考えます。


 米国や日本と同様に、縮小均衡から抜けられずデフレが心配される欧州景気が一段の量的緩和に向かう可能性は高まってきて、おそらく実行が決まれば、日米の株価が割安が是正されて割高に向かったのとは異なり、投資家は割高な株式や不動産を国に買い取ってもらうチャンスとして利用する動きになるのではないでしょうか?当面、欧州資産の先行きに対して楽観的にはなれません。


 となると次は、その国に買い取ってもらった欧州マネーがどこに向かうかです。もともと米国への集中を嫌ってユーロにとどまっていたマネーが多いので、米国以外の受け皿と考えると、少なからず日本へ流入する可能性はあり得るのかなとも考えています。したがって、基本的に米ドル高・円安の基調ではありますが、時折、ユーロ安・円高で不意を突かれるように大きく円高に振れる機会も増えるように思います。


 そういう変化を捉えるモノサシとして注目しているのは、欧州国債利回り動向でどこで底を打つかです。


 消費税の引き上げについては、引き上げても経済成長が確保できる余裕があることが前提であり、消費税引き上げの反動で、さらなる追加緩和策が望まれる現在の環境で引き上げに踏み切るのは理屈に合わないと考えます。

 

 マーケットが心配する先送りは、いったん日本が先送りしたらしばらく健全化の道を放り出してしまうと日本の政治への不信感から派生するものであり、「先送りを行い、経済を最優先し、景気の見込みが好転次第、消費税の引き上げを実行する」と、実行に踏み切る経済指標の目安を明確に示せば、市場の混乱はさほど長引かないと考えます。一番大事なことは、「先送りしてうやむやにする」という懸念をどう押さえ込むかの方法論であり、消費税引き上げの余力のもとになる日本の経済成長期待の灯を消してしまうことは何よりも避けなければなりません。


 最近、急に天候不順の影響を景気低迷の理由に挙げる答弁が目立つようになってきましたが、非常に見苦しい。「経済の先行きを見誤った」事実を認めないと現状を打破するきっかけがいつまで経っても見えてきません。