なぜ株式相場が下がったのかのコメントを聞いても、「円高に振れた」「米国政策金利の引き上げ観測が早まった」とか、いまいち納得感がない相場模様です。


 おそらくたいした理由はないのだと思います。何故か上昇していた相場は、何故か下落する相場の展開になっても不思議はありません。日本株相場について言えば、春先から日銀の追加緩和策が、GPIF(年金積立金管理運用独立法人)が株式の運用割合を高めるといった期待を過度に政府のコメントで煽られて相場を無理にもたせてきたツケが出た。その期待をゼロにして、一から積み上げるのに日柄整理、時間を要するのは仕方ないのだと思います。


 「為替が円高に振れた」と107円台の水準を見てコメントするのは非常に不自然です。ちょっと前に、水準は問題ないが、円安になるスピードが速すぎるので調整が入って当然という見方をしていたはずであり、想定内であったはずの円高への振れに対してサプライズ的な取り上げ方には違和感があります。


 株式も為替も、本来あるべきの正常化に向けての足踏みであれば投資家にとっては望ましいことであり、想定していた水準まで調整が入れば自分の感覚を信じて、新規投資を始めても良いと思います。


 儲かることが難しい相場はもちろん利益が出にくい相場です。なぜそうなのかは、多くは割高な時になってしまい割安に投資できる機会が少なくなるからです。したがって、安くなる相場局面は非常に貴重です。


 ついこの間まで、「買い遅れた。自分には投資は向かない。何故あのとき踏み込む勇気がなかったのか」と、今となっては高いところで自分を責めていた人は、「今買っても損するかも」と覚悟を決めた上で、あのときよりも安くなった今、検討をしましょう。


 ただしくれぐれも、この水準でも、持ち続けたら損を抱えることになりますから、大きな儲けに固執せず利益の確保を優先しましょう。