「株式相場は底を打ち、これから大幅高が期待できる」という見方もありますが、私はそんなに楽観的ではありません。今回の急落で、「結局、これまでの株高を期待していた根拠はすでに弱いものになっていたんだ」とマーケットは気づかされたのだと思います。したがって、今回の株安の安値水準は下げ止まりの目安にはなりますが、再び高値を目指していく材料を一から確認し拾い集める段階に入り、上昇するピッチは大幅高には遠く、緩慢なものになるのではないでしょうか。ただし、売られすぎを拾うというバリュー投資家にとってはチャンスが続いているわけですから、引き続き今後も楽しみな展開になると期待します。


 株高・円安の成果を声高に言いすぎた安倍政権は、それ以外の政策で何も評価すべきものがないことを指摘され、苦しい立場に今後さらに追い込まれていきそうです。「下落して割安になった日本株に興味」という外人投資家のコメントを聞く度に、「日本株相場が上昇すれば、いったん利益確定して様子を見たい」と腹を疑ってしまいます。


 こんな状況で消費税の引き上げを行うのはナンセンスであり、消費税を引き上げる環境を整備するために先送りする、消費税を引き上げる際の経済指標などの目安を数値で明確に示し、恣意的な先延ばしができない仕組みが必要でしょう。

 マーケットは、消費税の引き上げ時期を来年10月から先延ばしにすることに反対しているわけではなく、選挙だとか、支持率だとか、不透明・不確実な要因でずるずると引き上げに躊躇する日本の政治の優柔不断な行為に対する不信感が根強いからだと考えます。


 麻生大臣や黒田日銀総裁が「消費税の引き上げを先延ばししたら、国の信認が問われ、国債が暴落、金利が上昇したら手の打ちようがない」と脅しますが、逆に消費税の引き上げを行った結果、安倍政権を支えてきたアベノミクス相場が夢幻となって、景気の灯を消してしまった場合の責任をどう取るのでしょうか。


 景気が悪くなった場合は、まだまだ支える手立てはあるようなことを言っていますが、それは国民に期待する気持ちが残っていての話。国民の気を奪う行為は避けたい。国民の気を強くする行為が望まれます。


 安いところは買い、欲張らずに利益確定。それは自分には難しいと考える人は、投資して放っといていい債券投資、外債投資の検討をお勧めします。