私の提案は、今はやりのものをいち早く見つけて取り組み、相場の時流に乗ってリターンをとらえる順張り投資ではなく、資金の流れていく方向を想像し、底値圏にある割安な対象を見つけ取り組み、じっと成果が上がる時を待つ逆バリ投資です。


 相場の天井で売ること、底で買うことは難しく、できたとしたら偶然、ラッキーの世界です。そのため、天井に向かう過程で投資する順張り投資は、買った途端に儲かって、成果がすぐ出ることが多いので順張り投資の助言は喜ばれます。「今、何がいいですか?」


 ところが、私のように逆バリ投資の助言は、底で買えるわけがないので、買った途端に「まだ下がる」と暗い気持ちになり、しかも、いつ反転するかも分からない「辛抱のいる」投資です。人によっては、反転の時期を待ちきれず、途中で売却したり、私の元を離れる人もいたりします。


 しかし、投資で一番大事なことは、投資をあきらめなければならないほど大きな損をしないことです。我慢できる程度の損に抑えて投資を続けていけば成果につながるのです。私はこれまで順張り投資に取り組んだ結果、大きな損を抱えて人間関係さえも切れてしまった残念な経験を何度もしてきました。


 残念な経験の繰り返しから、相談者に対しては逆バリの投資助言を意識するに至ったのです。

「儲け損なったのは前川のアドバイスが悪かったのです」と底値圏で這う投資でストレスを感じる相談者には私が悪いと責めてくれと申し上げます。


 日経平均株価が17000円に到達し、ドルが117円に到達。これからが今まで我慢してついてきてくれた人たちの苦労が報われる時がきました。ドッカンまで導火線に火がついたと言えるでしょう。


 ただし、ただし、これからの相場は過去の株高・円安が進行する時期とは異なり、ハッピーな人よりも不安にストレスを感じる人のほうが多くなると思います。今後の過程で、くれぐれも大きな損を抱え込まないようにご注意ください。


 ところで、最近のニュースで私が注目したのは、ソフトバンクがついに劣後債で個人向けに社債を発行するというものです。7年債で利率2.3%~2.8%という条件らしいですが、ソフトバンクは債券市場ではくせ者です。1%を超える、1%を大きく超える確定利回り商品が出てくると、個人投資家は色めきだって、突然、金利水準に敏感になってきます。ソフトバンクは常に金利低下から金利上昇への転換時期を探って、債券発行を仕掛けてきました。

 誰もが低金利がしばらく続くとのんびりしているときに、「本当に安心していて良いの?」と疑う時期に入り出したのだと思います。