最近、とある事情から債券投資を10年来続けてきた個人投資家さんにお会いする機会が続いています。


 「この間に、いろいろありましたが、改めて見直してみると資産が満足いく程度に増えていて喜んでいます」という感想を聞き、うれしく思っています。


 債券は元々、発行体が破たんしなければ、保有するだけで元本が利息で増えていき、償還時には元本とそれまで貯めた利金があるわけですから、資産が右肩上がりで増えて当たり前の金融商品です。


 10年で1年2%なら1.2倍、4%であれば1.4倍となるのは当たり前と言えば当たり前です。これが外債投資であれば、さらに円安の進行により、もっとハッピーなケースが出てきます。


 当初よりも、資産が1.4倍とか1.5倍以上に増えてしまえば、債券投資を継続する限り、多少の円高になっても、金利が上昇して債券価値が多少下がっても、元の元本を割り込む心配をしなくてすみます。


 債券投資を始める際に、私は必ず申し上げます。

「債券を売却する時は、どうしてもお金にしなければならない理由がある時か、思いの外、ハッピーな時。つまり、金利の低下や為替の円安でこんなに儲かっちゃっていいのという時です。保有していて、アンハッピーになっている時はそのまま放っておくんですよ。発行体が破たんすることはないという前提がある限り、放って嵐が去るのを待ちましょう。むしろ、為替が円高で、金利が上昇しているなら、以前よりももっと割安に買えると前向きに追加投資を考えましょう」


 それでも、やはり為替が円高に振れたり、金利が上昇して評価損が出ていれば心配になるのは仕方ありません。そういう時には、改めて


「為替が円高になって、金利が上昇して、評価損が出ている時はどうするんでしたか?」と問いかけをします。そうすると、お相手さんは「ですよねえ~」と言われます。それを10年間繰り返し、良い時、悪い時を見ていると、その人に確信が生まれてきます。


 債券投資は、「金利が高くて、円高のときにこそ、検討するべきもの。売る時はハッピーな時だけ。原則は、償還まで持ちきるもの」。


 悲しく、もったいなく思うのは、それでも、債券を保有するストレスに負けて、アンハッピーな時に売却される方はいらっしゃいます。債券投資がアンハッピーな時は、投資環境が難しい時が多いのです。売った後に、「売ったは良いけど、次は何にしよう」と新たな悩みを抱える可能性が高いです。


 動転して裸のまま外に飛び出し、ドアがロックされて中に戻れず途方に暮れる様子。


 「債券投資って、やっぱり良かった」という人がもっと増えてもらいたいと願います。