観光事業の失敗などが重なり財政破綻した北海道夕張市。同市は職員数を半減したうえで、給与も3割削減。公共料金の引き上げなどで住民負担も増やし、20年超の期間をかけて再建を図る。北海道の関与がなければ、30年近くなるらしい。こうした見通しは楽観的なものが多いので、おそらく30年では収まらないのだろう。
 もし自分がその立場であれば、何も夕張市にしがみつく必要はない。金銭的な余裕があれば出て行くだろう。同程度以上の行政サービスは他にもあり、途方もない再建期間の夕張市を支える義理はない。 実際、破綻が表面化した6月以降人口流出は止まらないらしい。
 債務大国日本が大きな顔をして、先進主要国の立場でいられるのは、国際競争力がある企業と世界第2位の消費を支える個人の存在である。「こんな国、出て行ってやらぁ」と企業や国民が国外に拠点を移したら、誰が日本の借金を負担できるのであろうか。そんな国に金を貸そうと思うだろうか。
 しかし実際は国外に拠点を移すのは、そう簡単ではないので行動として起こす例は少ない。しかしこの夕張市のように、同じ日本であれば事情は違う。簡単に人の移動が起こる。隠れ夕張市も多いという。ただ単に、自治体に「自分のケツをふけ」と責任を押し付けたら、日本地図に破綻し先が見えない地域が増えるだろう。
 過疎地になった村、町から市に。そして県単位と広がっていけば、将来日本自体の不安にもつながるかも知れない。
 まずは税金収入に見合った行政サービスを考え、必要なサービスと必要でないサービスを分け優先順位をつける。過大な借金返済は成長の芽が詰まれてしまうので、関係金融機関に債務免除を認めさせる。こうして債務返済の道筋が見えれば、今後どうしたら税収が増える地域作りが可能になるのかという前向きな考え方が生まれる。
 先の見通しが立たずただ不安を抱えてスタートしても、「生きる」という活力は生まれてこない。
 「夕張市」を特殊なものとして切り捨てず、国民を巻き込んで再生のひな形としてどうあるべきかの議論を高める必要があるのではないか。夕張市の一般市民がお気の毒です。