3月から始めたばかりのECBの量的金融緩和の効き目が薄れてきて、欧州金利が上昇する気配が強まる中で、せっかくのユーロ安・ドル高の流れも重たくなってきたため、ECBに焦りが見えます。


 量的金融緩和は始まったばかり・・・とECB関係者が唐突に叫んでサプライズを起こそうとしている。


 おそらく、欧州も、そして日銀も、量的緩和は英断だったと評価を得るために、量的緩和の追加というカンフル注射を打たざるを得ないのですが、それにしても冷静に考えれば、今後の追加緩和の内容はこれまでのものと比べると、やれることが限られていて、つまりショボイ。


 これまでの世界株高の背景は、「それでも米国経済は強い。量的緩和の縮小から引き締めへの転換は必至」としていたから、日本、欧州の量的緩和とベクトルが逆となったので大きく期待されたところにあります。


 しかし、もし・・・もし・・・


 米国経済は意外に弱いとなり、米国も再び、金融緩和が必要となったら、話は変わってきます。

米国も日本も欧州も緩和と同じベクトルになれば、追加金融緩和で買われていた日本や欧州は買われすぎていた反動で売られ、米国に資金が逆流する可能性が高くなります。


 ただし現在は、米国株式は再び新高値、日本株式は2万円の大台乗せとなりましたので、「先は知らん。目先は買い」と動きに乗じて儲けようとする輩が増えやすく、割高を知りながらチャレンジし、後は野となれ山となれ・・・

振れやすい相場展開になると考えておいたほうが良いでしょう。


 相場はまさに、どこまで頑張れるかのチキンレース。


 以前のバブルの時に、とある証券マンは

 「間違いなく、ここは買いですよ。上がらないと終わりませんよね」

 「それでも、いつかは天井をつけるときが来るわけですが、その心配は・・・」

 「確かに可能性はありますが、今は心配する必要ありませんよ」


と全く株式が下がることを想定していない様子でした。そう本人が思い込んでいるから、自信満々のトークになり、多くの投資家を巻き込んでいく力がありました。


 しかし、それで我々は後悔したのであります。バブルを謳歌した後の準備はやはりしておきましょう。


 個人的には、「米国経済は利上げできるほど強くない」と、これまでの米国経済は強いという前提を疑う事態は投資環境に大きなインパクトを与えるものと考えています。