どうもFRBの利上げは6月には無さそうだというコンセンサスになっているように思います。

私は、FRBは引き上げる幅を小さくしても、その後引き上げるまでの時期をある程度延ばさなければならないことになったとしても、できるだけ早めに利上げに踏み切り、米国が金利の異常事態から抜け出した号砲を上げたいと考えていると想定していました。そのためヤキモキされる5月の連休明けからは、相場は荒れて値動きが大きくなると見ていました。


 しかし、景気の減速を示す景気指標数字を無視して、利上げに踏み切るわけにも行かず、6月の利上げの可能性はほとんどなくなりました。逆に言えば、次の9月の利上げはかなり濃厚になったと思います。


 9月までまだ時間があると見るか、いよいよ気を引き締めるときに入ったと見るか。


 現象面で見れば、米10年国債利回りは2.4%程度まで上昇してきましたし、ドイツ国債も含めて、欧州金利もジワッと上昇しやすくなってきました。


 私は日本も欧州も、中央銀行が国債を市場から大量に買い付けて金利を押さえ込むという腕力政策の弊害について懸念が高まっていくのだと思います。


 債券のメリット、魅力は、株式ほどのリターンは期待できないけど、どんなに大きな金額で投資しようと自分の買いで債券の価格が上がったり、または売っても下がったりはしないという価格の安定性と優れた換金性です。


 それが日本でも欧州でも、かつて経験したことがない流動性に対する不自由さが気になります。しかも、金利低下により含み益を抱えている投資家が多いのだと想定できます。


 もし金利が一気に上昇する前に、我先に売却して利益を確定しようとする動きが発生すればどうなるか。

おそらくかなり痛手を被るプロの投資家がでるのだと思います。大量に国債を抱えた投資家ほど売却する際の影響を考えすぎて決心がつきにくいのだと思います。


 先日、もし株価が急落したら日銀はどうなってしまうのだろうとある方と話をしていたら、その方は、「日本株が半分になっても3兆円ぐらいの損で済むから、日銀の全体資産額から見れば大した損ではなく、株価の下げは気にしていないのでは・・・」と言われていました。


 しかし金利が上昇して日本国債の価値が下落するような事態になったら、平気な顔はしていられないでしょう。金利の急上昇はパニックの中で発生する可能性は頭に入れておいたほうがよいと思います。


 ただし、金利の上昇は債券投資のチャンスでもあります。行き過ぎた金利上昇は見逃さないようにウオッチしましょう。いずれにしても、流動性を失った国債がどう推移するのかは興味深いです。