安倍政権は「アベノミクス政策の仕上げ、成長戦略の実現・実行」、黒田日銀総裁は「量的・質的金融緩和の拡大でデフレ脱却の道筋をつけた」と繰り返し、事あるたびに、はっきりと大きく聞こえる声で国民に断言してきました。その度に、市場関係者を始め国民は勇気づけられ、期待を高めてまいりました。


 しかし・・・、あれから3年


 いっこうに成長戦略の発動は見えず、物価上昇が国益になるかは別として、最近ではデフレ脱却の動きも一時的なものだった感が出てきました。


 どんなにリップサービスを重ねようとも現実の数字を突きつけられると、この3年間に政府・日銀が行ってきた、前例のない大実験に対して、今後のためにも検証・説明責任が問われる時期に入ったと思います。これまでのように、はっきり断言するだけでは国民は安心できず、「どうして想定通りの展開になっていないのか。何が足りなかったのか。何を修正していけばいいのか。修正すれば実現が可能なのか」の整理が必要なのだと思います。


 消費税引き上げ後の経済停滞、ギリシャ問題、チャイナショックといった外部要因を想定外として不調の原因に挙げるのであれば、誠に情けない言い訳です。いずれのリスクも、多くの人にとって意外なものではなかったはずです。その対応・準備に考えがないこと自体恥ずかしいことだと思います。


 逆に中国に関しては、これまで提示されてきたデータが恣意的で操作されたものではないかと疑う人が多くいましたが、最近の中国株式相場の政府介入や中国元の突然の切り下げなど、今まで提示してきたデータの辻褄を合わせるためにはなりふり構っていられない状況かもと思惑を生むほどドタバタが目立ちます。


 これまで描いてきたバラ色のシナリオに対して、このまま変更せずについて行って良いのかを自分でも検証するべき時期にあると思います。


 世間で期待されている日銀の追加金融緩和がもし行われたら、それは好材料ではなく、材料出尽くしの機会になってしまう可能性のほうが高いと私は思います。