17日、FRBは注目されていた9月の利上げを見送りました。株式・為替市場への影響をはかるのが難しいという政策判断と、押し切ってまで利上げを正当化させるほど米国景気は強いと言えるのかという意見を無視することができなかったのだと思います。


 しかし、見送りした後のマーケットの印象はどうでしょう。これまでの見送りのパターンでは、いったん懸念が遠ざかったことで、「売られすぎた反動で買い戻しが入った」という市場コメントが多かったと思いますが、今回は見送られたにもかかわらず、株式相場、為替相場ともドル高・株安の基調に大きな変化は見られず、むしろ、「見送られたことで先の懸念が残ったため、市場の先行きはますます読みにくくなった」と市場動向を見た後付けのコメントが多いように思います。


 つまり、「見送り」=「相場の買い材料」ではなくなったと私は思います。


 この1年間、常にマーケットは、「米国経済は底堅い。強い。政策金利を引き上げることができる唯一健全な国だ」と、いずれ米国は政策金利を引き上げる前提で動いてきました。しかし、その後に、「原油価格低迷の長期化」、「チャイナショック」、「新興国の早期景気回復期待の失望」、「欧州の難民危機」など不透明な要因が重なってきて、当初とはかなり投資環境のベースが変化してきました。


 個人的には、9月は見送り、10月は引き上げると見ていますが、もし、10月に米国が引き上げを見送ったとしたら、それはこれまでの「上げられるけど様子見」ではなく、「上げる時期を逃して上げられなくなった」結果であり、「政策金利の引き上げ=金融政策の異常事態からの抜け出した号砲を放つ」は当分無理と諦めたのだと思います。

 これは米国経済というたったひとつになった世界の成長エンジンさえも不調に入ると新たな懸念を加わえることになるのではないでしょうか。


 国内に目を移せば、すでに9月も半ばを過ぎました。私が感じるところでは、8月に入ってからの10日間は「災害と言われた暴暑」となり、エアコンや夏物衣料、ビヤガーデン・かき氷など売れ行きが伸びたと聞きましたが、その10日間を除くと、天候被害やサメ騒ぎなど、観光業に水を差すことばかりが続きました。注目されている7-9月期のGDP成長率は本当にプラス成長を回復するのでしょうか。なんか、昨年と同様に、4-6月期に続き、7-9月期もマイナスとなり、経産省の甘利大臣が「想定外の事態が起こりました」と弁明するような予感がしてなりません。


 去年はその後、黒田日銀総裁の第二弾バズ-カ砲がサプライズとなり、株安・円高に振れそうな悪いムードを一気に株高・円安へと鮮やかに持って行くことができましたが、今回はそういったサプライズの隠し球があるのでしょうか。


 今回のFRBの9月の見送りは、10月まで波乱を引っ張る結果になったと思います。