これをこのままにしていたら将来大騒ぎすることがわかっていながら、放置されていることが、身の回りに結構あります。
 その中のひとつが確定拠出年金制度です。2001年に導入されて、企業型・個人型を合わせて約130万人の方が利用されています(平成17年3月末現在)。130万人と聞くと多いように聞こえますが、確定拠出年金制度の利用可能者は約6000万人ですから、大手一流企業の一部の社員と意識ある個人の一部しか利用されていないのが現状です。
 確定拠出年金制度では個人の運用次第で将来の年金額が決まるわけですが、現在の運用状況はお寒い状態です。6割の人の運用内容はゼロ金利に近い固定金利商品だけ。つまり資産は増えもしないし減りもしない何もしていないのと同じ状態。この3年間で日本株式は2倍になり、この間株式投資をした人とでは大きな差がつきました。
 その後日本株一本に変更した人もいるようですが、今後株式相場が悪くなったら「泣きっ面に蜂」になります。
 この状況に確定拠出年金制度を案内している関連部署の人は、「後で年金が増えていないとか、減ってしまったと問題になり、利用者に十分な説明をしてきたのか」と非難されるときがいずれ来るという不安を抱えていると聞きます。
 そのため最近は投信の品揃えをする方も投資する側も「これさえあれば分散投資は完成」と言わんばかりにおいしく聞こえる金融商品、運用の主体をいくつもの資産に分散投資を行うファンドオブファンズ「資産分散ファンド」が大流行です。
 個人的には資産分散ファンド大流行の状況に「これでいいのか」という危機感があります。どの投資対象が割安なのかわからないから分散するというのであれば十分意味があるのですが、株式も商品も不動産も割安でなくなった現状で、ただ分散投資すればOK・・・、OKのはず・・・、OKのはずだったのに・・・と分散投資に過大に期待をかけて良いのでしょうか。
 資産分散ファンドで分散投資の安心を取るよりも、最初は面倒でも株式、債券、不動産、商品などに少額ずつでも構わないから自分で投資をし経験することの方が選択肢を広げる意味で有意義だし、結果に対しても納得できるとと思います。
 資産分散ファンドでは分散投資を実感することができないし、結果が芳しくなかった場合に納得しにくいからです。
 「確定拠出年金制度」はわかりにくいと不評ですが、自分の年金を確保するために、我々が「確定拠出年金制度」に関心を持ち、「ここが使い勝手悪い」という声を上げていかなければ、改善の道はありません。
 そして繰り返しになりますが、私は「資産分散ファンド」という名前に踊らされて、無選別に、安易に、投資する事に賛成しません。