欧州中央銀行のドラギ総裁は、12月3日の理事会で追加の金融緩和策を決める可能性を示唆しました。これを受けて、欧米の株価は上昇し、ドル高・ユーロ安が進みました。

 これにより米国は政策金利の引き上げを行うとさらにドル高を進めることになりかねず、せっかく落ち着き始めたドル相場でもあり、年内に政策金利を引き上げるのはますます困難になったように思います。何度も繰り返しますが、私はFRBは政策金利を引き上げる機会は失ったと思います。


 政策金利を引き上げる機会を逃した米国は、今後、米国景気や雇用の数字に悪い数字が続いたとしても、日本や欧州とは異なり、断固、金融緩和の再開を期待する声には抵抗するでしょう。

したがって、米国は政策金利を引き上げることはできませんでしたが、金融緩和に向かう国ではないため、追加緩和を前提にした日本や欧州との相対比較で金利が高止まりする国となり、新たに緩やかなドル高の道がついていくのだと私は想定しています。


 米国以上に途方に暮れているのは日本、日銀です。日銀は昨年10月に大盤振る舞いをしたため、追加金融緩和の内容で市場にサプライズを起こすものは期待できません。しかし、欧州中央銀行はすでに追加の金融緩和を行うと宣言してしまいました。

 出来たらやりたくないけど、やらないですませるだろうか?もし行った場合に、市場の反応はどうだろうか?そんな内容だったら、やらないほうがよかったと反対に叩かれることはないだろうか?

日銀は今、途方に暮れているのだと思います。


 そもそも、日銀の追加金融緩和に多くを期待し、支えてもらっている投資環境が長続きするわけがありません。あくまでも、景気に勢いをつけるまでの時間稼ぎであり、その時間切れが迫っているのです。

 現状では、やっと動き出したTPPを前向きに捉えて、国内市場規模を大きく、活性化するために何が必要なのかを考えて、障害になっているものを除き、実につなげていく地味な工夫を繰り返していくしかないと思います。政府の会議ばかりが増えて、いつ動き出すのでしょうか。


 派手な目標を掲げるだけでは将来が見えず、このままいけば、以前あったように日本の存在に無関心、そして無視されることになりかねません。ジャパンパッシング。ジャパンナッシング。


 追加金融頼みの相場でしかないと考える投資家は、この機会をありがたい利益確定の場とするでしょう。