連日、報道で「マイナス金利でどうしたらよいか」という話題に溢れています。私のところにも、相談者はもちろん、マスコミからの質問や問い合わせが多いです。


 「投資家はどうすべきか」という日経新聞記者の方から、「こういう環境になったら、安くなったリスク資産に投資を検討しても良いと助言する方も出始めましたが、前川さんはどのように考えますか?」とあり、いろいろと私なりの考え方をお伝えしました。


 結果、新聞記事として載った言葉は、「相場が落ち着いてから投資しても遅くない」というものでした。


 世界同時株安となり、一部、懸念されていた企業や銀行のデフォルトが材料視されるような投資環境まで入り込むと、リスクオフの流れはしばらく続くのだと思います。一部では、G20などの機会を捉えて、2008年金融危機や2011年ユーロ危機のように、世界的な協調措置が組まれることを期待する見方もありますが、協調して何を止めようとするのでしょうか。

 株価?為替?・・・・、株安や通貨安の原因になっていることに対する具体的な手立てではなく、ただ単に「株高になる材料」「通貨安を止める材料」を捻出して、その動きをけん制するのであれば、今回の日銀のマイナス金利導入と同じ対処療法で再びマーケットの失望感を生む可能性が高いのではないでしょうか?


 そういう意味では、世界が協調すべき大きな危機が発生するまでは、危機に対する準備はできるものの、その前に中途半端な対処は様子を見るしかないように思います。


 したがって、リスク資産を安いからと言って投資しても報われず、買っても買っても下がる。それが実際、振り返って割安な水準であったとしても、「無駄玉を打っているのかな」と悩む日々が続くのだと思います。


 これまで「こうした下落はいつきてもおかしくないと準備してきた」方なら、そして「現在は割安だ」と確信ある投資対象を見つけた方であれば、ピンチはチャンス。ここから底値まで買い下がって後で高笑いしようと投資を検討するのは、想定通りのタイミングが来たわけですからチャレンジされたら良いと思います。


 しかし、現在の状況が想定外で、しかも、今後も見えない方が、人が安い、儲かるという言葉で不安から飛びついてしまうと、その水準が例え割安な水準であっても、なかなか投資が報われない状況が続くと、新たな投資がまたひとつ不安を大きくするストレスになってしまいます。


 今後しばらくは、買ってもすぐに報われる相場でないことを前提にすれば、現在を不安に思っている方は何が自分に合った投資対象なのかを今から検討し、「相場に落ち着きが見えてから投資しても遅くない」と助言するようにしています。


 タイトルに書きましたように、投資で一番大事なことは投資を諦めてしまうほどの大きな損を避けることで、一番投資で後悔し自分を責めるのは「こんなに安いのになぜ買うことが出来ない」という状況に陥ったときです。そうならないための消去法の対策は、リスク資産から債券投資へのシフトです。


 なぜマイナス金利の債券という方も多いと思いますが、マイナス金利の債券ばかりではありませんし、デフォルトにならない債券であればリスク資産のように投資を続けることを断念せざるを得ない損失を抱える可能性は低いからです。