日銀は証券会社の取引決済にあてる資金をプールしているMRF(マネー・リザーブ・ファンド)という投資信託はマイナス金利を適用しない例外としました。


 証券会社に資金を振り込むと同時に自動的に投資信託「MRF」を買い付け、例えば株式を買い付ければ、自動的に買い付けた代金分をMRFが解約されて充当され、逆に株式を売却した資金は自動的にMRFを買い付ける行為が繰り返される。つまりMRFがあることで、投資家は証券会社の口座には現金を置かずにすむ。以前は、証券会社に現金を置いていたが、証券会社が破綻すると、現金は証券会社の資産として扱われ、万一の際には投資家に戻ってこない可能性があることを恐れ、証券会社の資産と分別管理して投資家の資産を守るためにMRFが誕生しました。


 マイナス金利が導入され、相次いで、国内債券で運用する投資信託の償還が決まる中で、「このMRFはどうなるのか」と心配しましたが、証券界から「貯蓄から投資へ」の根幹を揺るがす懸念があると日銀に適用除外の要望が早くから出ていて、それを日銀が認めたのは本当に良かったと思います。


 ただし、この例外措置により、日銀はマイナス金利導入の矛盾に悩むことになると思います。


 マイナス金利の適用除外となったMRF。マイナス金利にならないお墨付きをもらい、自由に決済することができるMRFは、資産を守るのにキュウキュウとしていた投資家にとっては、預金やタンス預金の受け皿として最強の金融商品となりました。資金が強烈にMRFに流入したときに、日銀はこの例外措置を容認し続けることができるのでしょうか。


 そもそもマーケットの需給を無視して問答無用で、恣意的に本来あるべき金利水準をマイナス金利まで引き込むのはやはり無理があるのだと思います。例外措置を設けないと、秩序が守れない政策に無理があるのだと思います。