私はマイナス金利を続けていくことは困難だと考えています。つまり、マイナス金利の状況は長くは続かないと想定しています。


 そういう意味では、マイナス金利が導入されている今をチャンスに、長期の資金調達を早めに行ったほうがよいということになります。


 企業の目ざといところは、この機に乗じて、超長期の社債を発行する動きがあります。投資家の立場で言えば、全く興味がありません。マイナス金利、もしくはゼロ金利に近い金利で、超長期の資金を拘束されることに価値があるとは思えないからです。ましてや、最後まで保有して損が確定するマイナス金利の債券に投資する意味など理解が出来ません。

 にもかかわらず、そういう債券でも買いたい投資家がいるのであれば、これは社債を発行して資金調達を行う歴史的な大チャンスです。


 低くなった住宅ローンで新規に住宅を求める動きは緩慢なようですが、既存住宅ローンを借り換えるニーズは非常に高いです。これも資金を貸す側の金融機関にとっては、既存の住宅ローン顧客を守るために巡り巡って、本来もらえるはずだった住宅ローンの収益を引き下げる行為でしかありません。


 したがって、投資家は喜んでマイナス金利状態の債券に投資するわけではなく、金融機関は低くなった住宅ローンを嬉々として勧めているわけではありません。そのため、近いうちに、投資家はマイナス金利状態でも仕方ないと投資する社債と投資しない社債とをはっきり区別するでしょうし、金融機関はすべての人に低くなった住宅ローンを勧めるのではなく、今後付き合いをしたい人には勧めるけど、多くの人には審査が厳しくなり、通りにくい扱いになるのだと思います。


 今はまだマイナス金利が導入されて間もなしなので、選別が厳しくなる前に、マイナス金利のメリットを享受したいと考える人は、「もう少し条件がよくなるのでは?」と待たずに行動を起こしたほうがよいと私は思います。