日経朝刊記事に格付会社フィッチ・レーティングスの調べで、世界でのマイナス金利の国債の量が5月末時点で10兆4000億ドル(1100兆円)に上り、世界の国債の残高20兆ドル程度の半分がマイナス金利になっているとありました。日本に限っていえば、国債残高の8割がマイナス金利です。これを異常と言わず、何が異常なのでしょうか。


 とりあえず、この状態は置いといて、マイナス金利導入の是非はもう少し様子を見るというのは無責任としか言いようがありません。異常事態が保てなくなって、バブルが弾けたときに「やっぱりね」で済ますのでしょうか。余りにも影響が大きくて、「私が責任を取る」と言われても白けてしまいます。


 マイナス金利の国債発行で恩恵を受ける財務省は、表面的にはマイナス金利に対して「いかがなものか」のムードを醸し出して、日銀がしたことと我関せずですが同罪です。


 財務省がマイナス金利で国債を発行し、金融機関が実績作りのために国債を買い付け、日銀にすぐ転売して利ざやを稼ぐ。どんどん、マーケットから国債が吸い上げられて、日銀以外に中長期で国債を保有する投資家は見当たらなくなってしまった。日銀がいざ国債を売ろうとしたら、誰も買い手がいない。買い手がいないのなら、そのまま日銀が永遠に持つことにしようかという話が出る始末。

 日本国債を保有したら、売るに売れない国債の不動産化を懸念する時代は目の前に迫っている。


 中国株式市場は、今では売買代金がピーク時の10分の1。当局の買いで株価はやっと支えられていて、流動性、透明性を失った市場は外人投資家にとって関心のない対象になってしまった。


 中国株式市場を笑えない。


 「じゃあ、マイナス金利付き量的・質的金融緩和をやめることができるのか」という意見もあるでしょうが、だからと言って、先に灯りが見えない、失敗した影響は続けるほど大きくなる、この方法を後は野となれと実験を続けていい理屈にはならないはず。大きく資産を減らさない投資で大事な事は、誤ったと判断したら「損切り」をして精算し、今できることを考え、立て直しに着手すること。


 このままでは、「あのときに踏み切っておけば・・・」とすべてを失って途方に暮れるだけの投資家になりかねない。