日銀は29日開いた金融政策決定会合で、上場投資信託(ETF)の買い入れ額を年3.3兆円から6兆円増額する追加緩和を決めました。


 ETFの買い入れ額倍増は日本株式相場の押し上げに寄与すると歓迎する向きもありますが、日銀の政策目標は「日本株の上昇」ではなく、「2%物価目標のために資金供給を行う」ことであり、たった年2.7兆円の資金供給増は、これまでの追加金融緩和とは異質。政府の財政政策を支援するための追加緩和期待にゼロ回答というわけにはいかなかったという苦渋の判断だったと言えます。


 次回9月の決定会合では、黒田日銀総裁就任以来の異次元金融緩和の効果を総括するとのこと。アベノミクス政策の効果を総括をしようとしない安倍政権よりもまともな試みだと思います。


 今回のETFの買い入れ増額は、日銀にとって、出し惜しみをしたわけではなくて、これまでが目一杯でこれ以上は日銀に求めても無理という現実を示したものだと思います。


 今後の金融政策のためにも異次元の金融緩和の限界を認め、年間80兆円の国債買い入れ額の縮小など目一杯の金融政策から政策余地、選択肢を広げ、一方で、政府には物価2%の目標実現には日銀頼みでは限界があることを突きつけて政策対応を迫る時期に来ていると思います。


 日銀が国債買い入れ額の縮小することで、債券利回りの決定を日銀ではなくマーケットに委ねる本来の形に戻すメリットがありますが、株式相場が上昇する前提が変わるので、投資環境は目先、混乱するかも知れませんが、このまま、後は野となれ山となれと勝算見込みもなく進み続けて玉砕を迎えるよりも投資環境の傷み度はましだと思います。


 先の見えない他国に比べ、落ち着いている日本であるこの機会が立ち止まって考えるチャンスだと思います。