個人投資家の株式売買は低調です。日銀のETF買い期待があり、押し目を拾うほど株価は下がらず、さりとて、日銀のETF買い期待だけでは株価の上昇も一時的なもので続かず、個人投資家の日本株式相場に対する関心は薄れていきます。


 にもかかわらず、「米国株式市場に比べて日本市場は割安だ」「円安に転換すれば、株価の大幅上昇は期待できる。日本株市場は十分に調整を入れている。反騰間近だ」「企業は想定為替を円高にシフトしており、今後、企業の下方修正をさほど心配する必要がない」と専門家の期待の声が多くなっている。


 私が思うに、日本株相場の低調さは、今後の見通しもさることながら、一番の理由は見ていてつまらない、参加していてもつまらないに尽きるからだと思います。


 何度も繰り返しますが、個別企業への期待ではなく、日銀がETF買いに動くか、動かないかのほうが重要視される展開は退屈なだけではなく、割高・割安のゆがみを取っていく株式投資の醍醐味を奪ってしまいました。そんな理屈でない動きを繰り返す日本株式相場に再び個人投資家はもちろん、外人投資家は戻ってくるのでしょうか。


 「日銀が継続して買うスタンスに市場が疑いを持てば国債は売られて金利は上昇、株は支えを失い、暴落する」と言われ続けて、日銀は国債をもっと買い、株式をもっと買いを繰り返してきましたが、国債の大量買い付けには限界を唱える見方が大勢となり、ここにきて、日銀のETF買いの継続にも限界が見えてきました。


 日銀がこれまでの金融緩和政策を総括するとした9月の決定会合が近づいています。「まだまだできる」と言い張る日銀から、「ここまで目指し出来なかったけど、最低、この線の金融緩和は断固として守る」という、「ここまでのリスクは覚悟したほうがいいかな」と投資家がリスクに準備が出来る目安を示してもらいたい。


 それがもらえれば、「一時的な下げがあっても、ここまで下がれば割安だ」と投資意欲が戻ってくる可能性は高い。多くの投資家は、割安になれば、日本株も日本国債も買いたいと思っているはずだ。


 一生懸命投資環境を支えてきた日銀には申し訳ないが、これ以上の頑張りは誰のためにもならないと思う。