これまで厳しい検査で不良債券処理を迫った金融庁は、「金融処分庁」から「金融育成庁」へ転換すると宣言しました。

 

 金融庁が金融処分庁と揶揄されたのは、金融機関に不良債権を増やさせないように個別の融資の妥当性を厳しく追及して金融機関の行いを処分していった結果、金融機関がリスクのある融資等に慎重になりすぎて、事業の将来性を見ずに、担保がないところ、創業間もないところを融資対象から外してきたという批判があるからです。

 

 それを今後は金融機関が目利き力を高めて将来性のある事業への融資を増やすように求める「金融育成庁」になるという転換をしたという報道です。

 

 そういう意味では、融資の目利き力と同様に、投資勧誘の年齢による規制も、金融機関の目利き力を促してはいかがでしょうか?

 

 現在、投資の世界では75才以上は「高齢者」のくくりで、まともな金融機関であれば、この「高齢者」投資家には投資の勧誘をしてはいけないことになっています。そして、まともな金融機関の現場であればあるほど、70才を超えると高齢者予備軍として投資の勧誘に慎重な対応を行っています。

 

 高齢者といっても、ひとくくりではなく、中には投資判断能力がない人もいるから・・・という理由ですが、中には、若者よりも投資判断能力が高い人もいます。

 つまりは、年齢ではなく、その人に判断能力があるとみるか、ないとみるかは金融機関の目利き力にかかっているもので、融資と同じなのではないでしょうか。

 

 まともな金融機関と投資家との関係が希薄になると、ますます高齢者の詐欺話は巧妙になり広がっていくでしょう。なんやかんや言っても、資産を持っているのは高齢者世帯です。

高齢者世帯への年齢で一律に縛る規制を緩和して、金融機関の自主性に任せれば、「何に注意すべきか」「どんな高齢者との取引は避けたら良いか」などのリスクについて検討して、高齢者世帯が求めるサービスに特化した金融機関もきっと現れ活性化につながると思います。AIも大事だけど、人間の目利き力を上げることも大事だと思います。