私はこれまで、債券投資を個人の方に「知っていて損のない投資方法だ」と提案してきました。

 

 債券の種類には、定期的な利息を受け取り、償還日に額面金額の現金を受け取る「利付債券」と、途中の利息はないけれども、その代わりに額面金額よりも少ない金額で買い付けて償還日に額面金額の現金を受け取る(例えば、払い込み85円で償還時に100円で受け取る)「割引債券」があります。

 

 利付債券の利息は受け取るたびに、利息に対して20%の税金が源泉徴収されます。割引債券は利息がないので、この税金を支払わずにすみますから償還まで持てる投資なら「割引債券」で投資するほうが有利です。

 

 そこで投資効率の悪い「利付債券」はダメな金融商品で「割引債券」が望ましい金融商品なのでしょうか。

 

 利金を受け取るたびに税金は取られるけど定期的な収入があったほうがよいというニーズがあるからこそ、「利付債券」が存在しますし、実際、債券の発行ではむしろ「利付債券」の発行のほうが多いです。

 

 つまり、割引債券と利付債券の違いは、「最後にまとめてリターンを受け取るか」、「途中でリターンを小分けにして受け取るか」のリターンの受け取り方であって、投資家はどちらの受け取り方が自分の目的に合っているかを考えて選ぶものです。

 

 そういう意味では、投資信託でも同様で、毎月分配金を受け取る「毎月分配型」の投資効率が悪いことを理由に悪い金融商品という決めつけには違和感があります。

 

 投資信託には、分配金を出さない「資産成長型」というコースがあります。このコースが本来あるべき姿で「毎月分配型」は好ましくないコースと切り分けてしまうのではなく、すべての投資信託が投資家の受け取り方のニーズに合わせて、毎月の分配金がいらないときは「資産成長型」、分配金がほしいときは「分配型」といったふうに自由に選べ、もちろん、コース変更は無料で行う形が望ましいと思います。

 

 「分配型の投信は売りやすい」と乱造した運用会社は、「分配型」の価値を高めるために、責任として、「資産成長型」を対として、コース変更が無料の仕組みを整えるべきだと思います。

 

 「コースの種類が多い投資信託は投資家にとってわかりにくい」という意見を多く聞きますが、コースの種類が多いのは投資家にとって選択肢が増えることなので悪い話しではありません。そのメリットを投資家側に伝え切れていない販売側の能力面、努力面が足りないのが問題なのだと思います。