日本国債10年国債利回りは0.10%まで上昇。この金利上昇が日本の景気が好調である故の上昇であれば「良い金利の上昇」でありますが、米国に次いで欧州が金利上昇に転じてひきずられ、後手に回った「悪い金利の上昇」だと思います。

 

 米国が景気好調で米国10年国債利回りが2.368%とジリジリと上昇してきた中で、マイナス金利導入の先輩である欧州が金融緩和策を修正する動きにマーケットは「いよいよマイナス金利も終焉か」と慌てて、結果、2016年にマイナス金利だったドイツ10年国債利回りは0.565%まで上昇してきました。

 

 米国は、「金融緩和からの転換は世界経済の暗転につながる」と非難を受けながらも、FRBは2014年10月に国債と住宅ローン担保証券の新規買い付けを停止。その後、2015年12月、2016年12月、2017年3月、2017年6月と4回政策金利を引き上げた。金融緩和策の出口をうまく抜け出た唯一の国です。

 

 欧州も出口に向かい出しましたが、米国ほど用意周到にマーケットと対話した経過があったわけではなく、「(いろいろ先々不透明なことが多いので)今、やらないとチャンスがなくなる」と切羽詰まったもののように思います。

 

 日本は欧州よりも深刻です。もう誰も「黒田日銀にマイナス金利を支える力はない」と感じているにもかかわらず、当の日銀は「まだやれることはある。出口戦略を語るべき時期ではない」と、いまだに神風の円安が吹いて2%の物価上昇が実現できる日を待つばかり。出口戦略を口にすることも許されない黒田日銀は欧州からも取り残される。

 

加えて、都議選惨敗で「ポスト安部」が見当たらない中、自分たちの将来、保身を願う政治家が浮き足立ち、腰を据えての経済成長の道は完全に霧の中。個人的には、中長期の投資資金は消去法で米国資産へと流れていくと考えるのが自然なのだと思います。

 

「トランプの米国は心配だ」といって米国から日本に資金が逃げ込んでくる・・・・という考え方にはどうしても同意できません。