お金の流れはマーケットの動きを理解するのに役立つ材料の一つです。昨年末、投資家は「やっぱり、米国の景気はいいぞ」と個人消費の強さを示す経済指標に納得しました。

 

 その強さに確信度が高まるにつれて、米国10年国債利回りは昨年9月初めの2.03%から2.55%まで上昇。一方で、ニューヨークダウ指数は同時期22,000ドル程度から連日最高値更新を続けて26,000ドル目前まで上昇してきました。

 

 景気の良さを確信したマネーは、米国国債を利益確定して、少しずつ、おっかなびっくり米国株式を買ってみる動きが出た結果ではないでしょうか。そして、さらにマーケットは、地政学的リスクが絡む原油価格に安定感があり、ジリジリ上昇していく展開に当面は波乱は無さそうだと安心感が広がったのだと思います。原油価格は47ドル近辺から64.3ドルまで上昇してきました。

 

 「景気上向き→個人消費活発→金利上昇期待→株高→景気上向き→・・・」という教科書的な動きは、米国が「超金融緩和」の異常事態から「国債新規買い入れ停止→利上げ→保有資産縮小」と正常化へ踏み出した結果、当たり前の動きを取り戻したのだと思います。

 

 米国10年国債利回りは、以前から「正常化で、あるべき水準は2.6%程度」という声があり、その水準にまで来ました。事に行き過ぎはあるので、さらに上昇する場面はあるとは思いますが、個人的にはさらに大きく上昇するとは考えていません。

 高金利通貨のイメージが強いオーストラリア10年国債利回りは米国とさほど変わらない2.73%ですし、あのイタリア10年国債利回りは2%程度です。相対的に、米国10年国債利回りは割安になってきました。

 

 加えて、世界経済でインフレが高まらない理由に原油価格の下落を挙げる専門家の見方がありますが、原油価格の上昇は逆にインフレ懸念のイメージを膨らませます。これまで景気上向きを買い材料として行け行けゴーゴーで走ってきたマーケットですが、米国国債利回りが妥当近辺まで上昇したのを機に、「割高懸念で利益確定が入るもの」と「まだ投資妙味があるもの」と選別して投資するものと二極化していくのだと思います。

 

 2018年は、宴から覚めて、「まともな状態とは何か」を探る年になるのではと思います。