米国の長期金利が上昇して、好調な米国景気の腰を折るとか、ドル安を心配する見方がありますが、個人的には、米国10年国債利回り(現在は2.7%程度)がさらに上昇する余地は少ないと思いますし、上昇するなら魅力的な投資対象として検討して良い水準にあると思います。

 米国は税制改革の実現と世界景気の好調見通しから、2018年に政策金利を3回、そして、その後、さらに2回は政策金利を上げて、最終的に現在1.5%である政策金利を2.75%まで引き上げると見込む見方が多いです。米国景気はすでに100ヶ月を超える好況が続いており、いつ景気にへたりが出てもおかしくないです。今後の引き上げもゆっくりしたタイミングで行う予定ですし、米国は日本と異なり、金融緩和政策の余地はあるため、もし心配するリスク資産の下落があっても一時的なもの、下落場面はチャンスと考える投資家が多いはずです。

 むしろ、米国の持続的な政策金利の引き上げでダメージを食うのは、景気が好調な時期に財政政策の手段を使い果たし、債務残高を増やしてきた国々です。

 注目したいのは、原油価格に連れて、液化天然ガスや石炭価格も上昇基調でエネルギー価格全般が原油価格に押し上げられている状況です。

 物価上昇が抑えられていたのは原油価格が150ドルから25ドルまで一気に下落した後も低迷を続けていたおかげです。

その原油価格が上昇してきた途端に、「ガソリン価格が上がった。食料品価格が上がった」と国民生活が急に窮屈になります。

 実際、日本では石油製品やエネルギー関連費用、食料品価格の上昇で12月消費者物価の数字はまだ低いですが、12ヶ月連続上昇しています。

 原油価格の上昇に加えて、もしドル高円安が加われば、国内の輸入物価の上昇懸念は高まって国民生活の負担感は一気に高まり、いわゆる「悪い金利上昇」が始まる可能性があります。

 そのときに、もし消費者物価2%が実現できたとして誰が喜ぶのでしょうか。

 「悪い金利上昇が日本に起こったときの備え」ができているかを検討しておく必要があると思います。インフレ懸念に結びつきやすい原油価格の動向に注目です。