証券会社はこれまで、「リスク説明が甘い、できていなかった」として、過去何度も当局から反省を求められました。そのたびに、「商品説明資料の内容が投資家に誤解を与えない」チェックが厳しくなりました。証券会社に在籍した人間であれば、銀行が金融商品を案内する内容を見て「証券会社だったら許されない表現が、銀行だったら何故許されるんだろう」と不思議に思っていた人が多かったのではないでしょうか。
 金融庁は来年4月から顧客保護に重点を置いて、ちゃんとリスクの説明責任を果たしているかどうかのチェックを厳しくしていくと報道がありました。証券会社から案内される投信は元本割れもあり得るけど、銀行や郵便局で案内される投信は安心・・・・と思っていたけど、「元本割れするなんて説明がなかった」と苦情が結構出ているらしい。
 銀行側はちゃんと元本割れの可能性は説明したし、自己責任も投資家に納得してもらったはずと主張する。
投資家は証券会社で損をするのは仕方ないけど、まさか銀行で買って損をするなんて考えてもみなかった。
販売する側の銀行と購入する側の投資家との意識に大きなギャップがあることを銀行や郵便局はもっと意識しなければいけないと思います。
 銀行や郵便局は証券会社と同じような説明をすれば良いわけではないということです。投資家である預金者は「銀行と郵便局は証券会社とは違う。安心な金融商品を選んで案内している」という美しい誤解をしていることを受け止めて、もっと丁寧にリスクの説明をして、納得して投資をしてもらうプロセスが必要なはずです。
 「ちゃんとリスクの説明しています」「投資家に自己責任を理解してもらって投資してもらっています」と銀行や郵便局が声高に言えば言うほど、投資家は銀行や郵便局の投資を勧誘する対応に、言葉にしませんが不信を強く持つでしょう。
銀行や郵便局は企業を守るために、最低限の説明責任だけを果たせば良い、余計なことは言わないと「貝」になっては、金融機関側にも投資家側にも良い結果にはなりません。
 「投資といかに付き合っていくか」と投資家と共に考える場の提供が期待されます。リスクの説明に割く時間を増やされても退屈になるだけです。投資を楽しんでやるために、どこにポイントをおけばいいのかを話し合う機会が増えれば、良いアイディアも浮かんでくるでしょう。そんな機会を投資家は求めているのではないでしょうか。