最近の日銀から出てくる発言や、政府関係者の発言を聞き合わせると、何の根拠もありませんが、今回の政策決定会合で日銀は政策金利の引き上げを行う覚悟を決めていて、政府関係者も「景気の腰を折って非難されても日銀のせいだぞ」と捨て台詞を吐いてさじを投げた気がします。昨年の3月に日銀が金融の量的緩和解除を決めたときのように。
 それだけ、日本発のインフレの火種を今消さなければという日銀の思いが強いと言うことでしょうか。欧州だって、米国だって、景気回復の芽を摘むような金利引き上げをしたくありません。それを敢えて続けてきたのは、インフレに火がつき、金利や通貨価値が不安定になり、景気そのものを思いっきり痛めつけられることを避けたいからです。米国は2004年6月から、欧州は2005年12月から、金融引き締めを開始しました。にもかかわらず、未だにインフレを懸念して金利を引き上げる可能性を残しています。景気の先行きを考えると、これ以上の引き上げ余地は米国にも欧州にも限られてきたと言えるでしょう。ところで何でインフレ懸念が消えないのか。過剰流動性の存在、つまり金余りが問題なんだ。何故金余りになっているのか。日本がいつまでも超低金利政策を採り続けて、円キャリートレード取引を増長しているからだと、問題がフォーカスされてきた・・・のではないか。だから日銀は景気の状況を確認してからなどと、悠長なことを言ってられない。
 日本が0.25%程度政策金利を引き上げたところで、内外金利差の縮小は大したことはないが、日本が行き過ぎたキャリートレード取引を問題視しているというメッセージは有効だと思う。新しいことを始めるときは混乱を伴うもの。日銀の説明責任、そして結果責任が問われます。