自民党中川幹事長が日銀の政策金利引き上げに、脅しをかけ、強く牽制する発言をしています。政治と中央銀行の考え方に開きがあり、しかも感情的な対応を公にするやり方は褒められたものではありません。今回引き上げたにしろ、据え置いたにしろ、結果は想定通りだったのか、押し曲げられたものなのか、市場の判断に迷いが残るからです。市場の迷いがいったん広がると、「泣く子」と同じ、手がつけられなくなります。「金利は上げないよ」と言っても、信じてくれません。
 ここで大事なのは、感情的な脅しではなく、市場に対して今後の課題を明確にして対応の選択肢を示す説明責任だと思います。金融政策の変更をいちいち政治の顔色を見ながら行っている先進国はありません。選挙を意識して、たとえインフレ懸念があったとしても、景気に陰りが見える場面では政治家は「まだまだ」と金利を引き上げる決断が出来るわけがないからです。 景気が大きな失速を招きかねないインフレの発生を回避するためには、金利を引き上げて景気のペースを落としインフレ懸念を収め、再度成長につなげるために、中央銀行が悪者になって金利引き上げを行わなければならない時があります。そういう役目は選挙民の目を気にする政治家には期待できません。
 したがって中央銀行は、「何故今がその時期なのか」という根拠を示し、説明が必要です。政治は中央銀行が説明しやすい環境をつくるのが役目であり、喧嘩している場合ではありません。
 政治と日銀の不仲は、世界の中での安倍政権支持率の低下につながります。 「当事者が混乱させてどうする?」と情けなく見ているのは私だけでしょうか?