「株式、そして不動産はひと頃に比べて大分高くなったなあ。今から個別銘柄や不動産投信に投資しても間に合うだろうか。まだ上がりそうな気もするし、買った途端に下がりそうな気もする」
 「それなら株式と不動産、同時に投資する資産分散型投信を買う方が個別に選ぶよりも確実か」・・・・と資産分散型投信の売れ行きは相変わらず好調です。
 そんな中で、本日の日経新聞朝刊記事に、「不動産投信をファンドが大量取得して、分配金が大幅減の可能性」とありました。不動産投信は収益の90%超を投資家に分配する条件で法人税が減免される優遇を受けているのですが、決算期末で上位3位の投資家の持ち分が5割を超すと、この優遇はなくなり、一般事業会社と同様に課税され、期待された配当が大きく減る可能性が出てきたということです。不動産投信の中には既に、ファンドの大量取得により、この規定にかかりそうな水準のものが出始めたともありました。

  国内の不動産投信の時価総額は40社で約56000億円。資産分散型投信の草分けである日興アセットの「財産3分法ファンド」だけでも、3000億円不動産投信を買い付けているわけですから、運用ニーズからみた時価総額5兆6000億円はそれほど大きく十分な額とは言えないでしょう。
 今後も資産分散ニーズの高まりは衰える気配は見えず、ますます不動産投信を組み込むファンドにお金が流れ込むという見方が大勢です。皮肉なものですが、こうした個人のニーズが、投資信託という器を経由して、投資家の寡占化につながり、これまでの分配のあり方を考えさせる機会になりそうです。ファンドによる不動産投信の買いを止めることは難しいでしょうし、それが良いとも思えません。しかし、このままでは当てにした分配金が業績が下方修正されたわけでもないのに大幅減になってしまうかもしれない事態が目の前にあります。悩ましいですね。どんな方向に向かうのでしょうか。