2007年3月期の上場会社の決算は、日経新聞の調べでは4年連続の最高益更新がほぼ確実で、経常利益の予想増益率は6.5%増になるらしい。増益の要因は円安効果。私は前から引っかかっているのですが、今期のようにドル高、ユーロ高、いわゆる円独歩安の環境だったにもかかわらず、この6.5%増という数字は立派なのでしょうか?もし今期が円安メリットがない、逆に円独歩高の環境だったら、日本企業の業績はどうなっていたのでしょうか?円安効果がなかったら、2008年を喜んで迎えられるような気にはなれなかったのではないかと危惧しています。
 米国は政策金利をあれだけ短期間に引き上げて、その後も金利を高止まりのままで維持しているにもかかわらず、経済に安定感が出てきました。ユーロは、米ドルに替わる基軸通貨としての存在感を示しています。また米国と同様にインフレ懸念の芽を摘むため、政策金利の引き上げを継続するほど、経済は良好です。英国もオーストラリアも景気の堅調を背景にやはり政策金利を引き上げています。
 日本だけです。景気の先行きに確信が持てずに、政策金利を引き上げる国内の合意が取れないのは。円安に支えられた、ラッキー頼みの景気が実態であれば仕方ないことです。日本が金利を上げられない以上、最弱通貨である円が売られるのは道理です。
 2月に日銀は政策金利を引き上げると見ている専門家が過半数程度いるという報道がありましたが、1月利上げを見送った背景を考えれば、2月引き上げるに十分な根拠は見当たらず、引き上げれば市場はかなり混乱することになるでしょう。
 しかし日本がズルズルと金利を引き上げる決断を先延ばしにして、円安を容認する態度を続ければ、今回のG7は許してくれても、いずれの日か突然に「円の独歩安はもうこれ以上我慢ならぬ」というムードに変わることも、我々は想定しておくべきだと思います。そう考えると、急激な円高に振れることを避けるためには、円安に不満を持つ各国の気持ちを配慮して、政策金利を少し上げてガス抜きをした方が得策だと思います。
 そうは思うのですが、如何せん、先月引き上げなかったのに、今月引き上げる大義名分が見つかりません。
引き上げて市場を混乱させるのを止むなしとするのか、取り敢えず先送りして、不満国の御慈悲にすがるのか。政府、日銀の対応はいかに。業績と関係ないところ、振り回される日本企業は本当に気の毒です。