せっかく本業で利益が出せたと思ったのに、為替が思っていたのと逆に動いて益が飛んでしまったり、企業の持ち合いや投資目的で持った株式が大きく値下がりして益が飛んでしまったら、外貨資産や株式は企業にとって、業績を不安定にするやっかいな存在になります。
 実際バブル崩壊後は、そうでなくても業績が悪化している状態にあり、その上外貨資産や株式の評価損で不安定にされたのでは堪らないと、株式の持ち合いを解消し、過剰な外貨資産を圧縮、円建ての割合を増やすなど、企業は必死の努力を重ねました。
 外貨資産は持っていれば円安に救われ、株式は含み益を増やし続ける。円高懸念で外貨資産を持つのが怖い、株式の値下がりが怖くて株式投資が出来ない、という環境はしばらく来ないと安心していて良いのでしょうか。
 景気は踊り場。すべてが浮かれた景気上昇期は企業の格差は目立ちませんが、踊り場になると、勝ち組と負け組の二極化が目立ちます。この一年で株価が2倍になった銘柄があったかと思うと、半分以下になってしまった銘柄もあります。
日立は米子会社に絡んで1800億円の株式評価損を今期計上します。富士通も子会社評価損で3500億円を計上します。新興企業の優良企業と注目されたいくつかの企業は、M&Aで合併吸収した会社が思うような収益を上げられず、過大に投資したつけを払い、本業が好調であるにもかかわらず赤字になったものもあります。
 こうした株式評価損で本業の業績が左右されてしまう例が増えてくると、法人は株式持ち合いに対し、これまでより慎重になり、効率の悪い子会社を整理する動きが増えるでしょう。したがって今後ますます株式投資には企業を選別する目が問われ、個人と外人投資家が投資家として、存在感は高まると思われます。昨年は利益を上げるのに難しい株式相場だったと私は思いますが、今年は更に難しい相場になると思います。