2001年に誕生した日本版不動産投信「JーREIT」の認知度は投資家の間ではある程度高まり、リートという言葉は、内容は詳しく分からなくても「聞いたことがある」人が大半になってきました。
認知度が高まると、それにあやかって、まがい物や二番煎じ、三番煎じの不良品が出回ります。そういう意味では、金融庁が上場する不動産投信(REIT)だけでなく、私募ファンドの運用会社まで監督対象にして、「不動産の購入価格は適正なのか」、「投資家への配当の原資になる賃料の見積もりは妥当なのか」、「利益相反の取引は存在しないか」などのチェックを入れるのは適切な対応だと思います。
 この対応を規制強化と捉えて、ファンドの運営を海外に拠点を移すところがあるかもしれませんが、個人のように調べる術を持たず情報が限られる投資家にとっては、まずは資産の保全を優先させて、海外に拠点を移すような先とは慎重に付き合った方がよいでしょう。
 今朝の日経記事に、「銀行窓販、お願いに揺れる生保」がありました。この4月から生保が保険料設定の参考にする標準死亡率が変更され、各契約者がより長生きする設定になりました。そのため、終身型の変額年金の1年間で受け取る年金額が商品によっては2割程度減る商品がでてきたそうです。銀行の窓口では、「標準死亡率の変更により受取金額が減る」という説明が十分でなかったため、銀行から生保に「おわび」もしくは「説明する」文書を出してくれるように要請があったというものでした。生保は「販売時に高い手数料を取っておきながら、問題が起こったときだけ押し付けてくる」と割り切れない思いをしているらしいです。
 これって契約者としてはいかがですか?これはあくまでも、保険の仕組みを作った保険会社、保険を販売した銀行の事情であり、契約者としては「リスクの説明を十分に行うのは判断をする前提条件。説明が足りなかったとわかったら、誰が説明文書を出すかではなく、速やかな対応が大事でしょう。
 今回の不動産投信の件でもそうですが、販売するときに、ついつい販売する意識が前に出て、リスク表現が甘くなりがちになります。リスクを伝えたつもりでも、相手にはおいしい話の印象しか残っていないことがままあります。
そのため販売する側は、まず何がリスクとして認知してもらう必要があるのか、まだ隠れているリスクはないのか、必要以上にリターンを期待させてしまう表現をしていないか、など注意が必要です。
 私は期間途中での解約を前提にローンを組んだのにもかかわらず、解約時に多額の解約手数料を取られ、銀行に「何でこんなに大きな解約手数料がかかるかもしれないことを注意してくれなかったのか」と文句を言ったことがあります。
その時銀行はまず「期間途中の解約可能性がある人には勧めていない」と言い張りました。「この野郎」という気持ちをぐっと抑えて、「であれば何故契約時に解約する場合は大きな解約手数料が発生する可能性があると教えてくれなかったのか。普通の商売であれば、万一のリスクについて説明するのが当たり前じゃないですか」と言いました。
 私はそれ以来、その銀行を恨んでいます。プロの風上にも置けない最低銀行だと思っています。金融商品は販売後のフォローが悪いと、顧客との関係が切れてしまうことが多いです。金融機関は今こそ、販売後のフォローが十分であるか、自己反省込めて見つめ直す大事な時期にあると思います。