インターネット専業証券会社は今後も手数料引き下げ競争を続けて行かざるを得ないと腹をくくっている様子。当然この動きは株式だけではなく、他の金融商品における手数料にも波及するという見通し。インターネット取引手数料の下げに連れて、対面で窓口対応する金融機関にも下げ圧力がかかっている。現場では人件費コストなどを下げるため、対面に割く時間を短縮しようと考え、説明責任に応える必要最小限の対応に抑え、投資家が自分で情報が取れるように整備する。
 投資家はどんな情報が必要で、どんな利用の仕方をすれば便利なのかがわからないから途方に暮れる。そして最近では、お金を払ってでも自己投資して自分で判断して投資が出来るように、私のようなものに相談に来られる人が増えてきました。
 金融機関は手数料を下げる企業努力が他社との差別化と考え、がんばり、疲弊していく。投資家は誰に相談することも出来なく、自己責任の結果に自分を責めて、疲弊していく。まさにニーズのミスマッチが起こっています。
 もし金融機関側に投資家の立場で投資のアドバイスができる能力と信頼があれば多くの投資家が救われるはずです。そんな金融機関のサービスを受けられるなら、多少他の金融機関よりも手数料が高くても文句は言わないはずです。
投資家が怒っているのは、対面のありがたさを感じていないからです。インターネット専業証券会社と対面営業の証券会社とでは、投資家にとって、どんなメリットがあり、どんなデメリットがあるのか、私の投資目的に照らすとどちらの方が適当なのか。これらのことが投資家に通じていないからです。
 手数料が多少他に比べて安いよりも、それに見合った仕事をしてもらえば文句はいわない。むしろ安かろう、悪かろうのサービスをする金融機関が増えること自体が投資家にとって不幸です。
 日本も米国や英国のように、「あなたの目的にあった金融商品を選ぶ際の注意点は・・・」と、ファイナンシャルプランナーなど自分の代わりに商品選びをアドバイスしてくれる人を頼る時代に入っていくのでしょうか。手数料引き下げしか手段を持たない会社にはいい人材は残らず、育たず、将来はないでしょう。どんな良い運用会社もボランティアで人のお金を運用しているわけではありません。仕事のなかみの評価もせず、「手数料を下げろ」とだけ言い続ける投資家のために、運用を続ける気にならないでしょう。仕事に見合った手数料は堂々と主張してください。「わたしたちはみなさんからいただいた手数料でこんな優秀なスタッフで、こんな立派な仕事をしています」と。そうすれば、投資家には手数料の割高、割安のモノサシが見えてきます。「これぐらいやってくれるなら、この手数料でも納得」、「この程度のサービスであそこと同じはおかしい」など。
 このままでは本当に金融機関窓口で相談する人がいなくなりますよ。これは投資家にとっても非常に不便なことです。
最悪なのは「こんな手数料でそこまで期待されても困る」という金融機関窓口が増えてしまうことです。投資家のストレスは溜まる一方で、「貯蓄から投資」の将来像は全く見えません。