マグロが高くなってきました。日本の業者は中国の業者や欧米の業者に「セリ」負けしているそうです。マグロの需要が海外で高まっているのが一番の要因ですが、日本の通貨「円」が最弱通貨になっていることも見逃せません。
 世界の景気が停滞している時であれば、安い鉱物資源や水産資源などは日本にとって選び放題でしたが、いまや資源国は自分のところのまかないにも苦労している状態。そんな中でも、日本にわざわざ良いところを案内してきたのは、良い値段で大量に仕入れてくれるから。ところが今は円の価値も下がり、もっと良い値段で買ってくれるところも増え、むしろ小出しにした方が高く売れたりする。世の中は様変わりです。日本の存在感は、円安と共にますます小さくなっているという見方は間違っているのでしょうか?
 海外に出張すると、一杯のコーヒー、ちょっとしたタクシー代、手頃なはずのランチが高くてびっくりするという話は、昨年頃からいろいろな人の話に出てくるようになりました。
 個人的には「日本人は能天気に円安を喜んでいて良いのか」と疑問を持っています。政府のコメントは「為替の動きは市場に任せるもの」と知らぬ顔ですが、円高が急伸したときも同じ答弁を繰り返すのでしょうか?円安の時は何も言わなくて、都合の悪い円高になったら「いかがなものか」という発言をして狼狽するようでは、世界から信用されませんし、そんな政府に円高を止める期待は全く出来ません。今円安のうちに、急な円高に振れないように環境整備に努力するのが役目ではないでしょうか。ただ傍観しているように見えます。
 現場の企業は本業で頑張るしかありませんが、為替見通しは総じて保守的に見積もっています。誰も守ってくれないとなれば、自分で厳しめな環境を想定して業績予想をせざるを得ません。想定為替の中心は米ドル115円、ユーロ150円。企業としては、ここまでの円高で収まってくれれば利益を出す自信があるという期待もあると思います。
 株式の専門家の中には、想定する為替の水準は保守的であり最終的には上方修正の可能性があると、株式相場の先行きを悲観しないように話す人がいます。その手の話しを聞く度に私は、「為替が円安になることによる業績数字の上方修正を期待するのはもう止めようよ」とがっかりします。
 せっかく企業は厳しい環境を予測して対応していこうとしているのですから、円安によるかさ上げを抜きにして、会社側の予想は保守的なのか、楽観的なのかを、第三者の専門家としてコメントしてもらいものです。それが投資家にとってありがたい情報であって、為替が120円だったら、160円だったらという話であれば、素人でもできます。
 過大な株高、円安を期待し相場にただ任せて眺めるだけではなく、株安・円高の環境になったときに、それをチャンスとして受け止める余裕がある自分であるか、あるいは、そうなれば当面は撤退して様子を見る覚悟をしている自分であるのか、自分の心構えを確認することが大事だと思います。
 前FRB議長のグリーンスパン氏が「中国株はいずれ劇的な収縮が起こる」という発言を行い注目されていますが、こんなことは市場動向に関心を持ってみているものであれば、誰もが思っていたことで、「ことさら」という印象を持っている人が多いのではないでしょうか。だけど、これは非常に意味があることです。
 「中国株の暴落が世界同時株安に波及する事態が起こった場合、あなたは平気で居られる準備が出来ていますか」というメッセージだと思います。みなさんの準備はいかがでしょうか?そのときあなたはどうしますか?