ひどい時代がありました。1000万円を預けていても年0.001%。利息100円に対して20円の源泉徴収で80円しか手元に残らない。交通費をかけ、時間外で引き出せば、自分の金であっても大幅赤字。銀行にお金を人質にとられたようなもの。銀行の方は申し訳なさそうに、「預金は預かり金と書きます。利息は銀行の厚意と言うことで」とシャレにならない話をしたりして。そもそも金利表示の仕方に、「0.00●」という下三桁の数字があったのかと、最初は驚きましたが、慣れというのはおそろしい。
 昨年3月にゼロ金利が解除され、7月から金利がつく時代に戻りました。当時「これからは金利上昇するかも」と、これまで変動金利で住宅ローンを組んでいた人、そして新たに住宅ローンを組む人の中には、金利の低い今のうちに長めの固定金利にしようと動いた人もいらしたでしょう。それまで興味なかった個人向け国債も、金利上昇時にメリットがある金融商品として注目が高まりました。金利の動向は株式相場にも、為替相場にも大きな影響を与えます。今後ますます、金利動向に関心を持つ人が増え、これは非常に良いことだと思います。
 現在2年定期は約0.4%前後です。一時期から比べると大分上がりましたが、まだまだ物足りない水準です。一方で、2年国債というのはご存じでしょうか?この利回りは昨日一時0.92%でした。この水準は10年ぶりの高金利です。私たちはどの期間でも1%以上の固定金利で運用できる時代に近づいているということです。
 私たちはどうしても銀行の預金金利を中心に考えてしまいますが、この金利は実は銀行が勝手に決めることができる金利です。国債の利回りは、株式相場と同様に市場の動きで決まります。市場が金利上昇を先読みして動いた結果です。
 「預金金利は市場金利に比べて妥当な水準なのか」という預金者の監視が適正な金利水準を導きます。金利はお金の価値を示しており、価値が高くなると金利は上がり、下がると金利も下がります。せっかく価値が高まっているわけですから、有効に使いましょう。そのためにも、金利動向に関心を持つことが大事です。