投資は割安を探し、割高で売却して利益を固める。そして再び割安になる時を待つ、の繰り返しが本来の流れ。つまり投資は割高、割安をある程度知らなければ勝負にならず、安定した収益も得られない。
 しかし「買えば上がる、上がるから買う」というバブルになりだすと、そもそも妥当な価値ではないところでの売り買いだから、成長性や財務内容なんて関係ない。自分の買ったところよりも、もっと高いところで買ってくれる人がいると判断したら買う。株価の上下だけが気になるマネーゲームになる。
 こうして新興株であれば買われる相場があったし、IPO(新規上場株)であれば買われる相場があった。しかしいったんバブルがはじけ、業績内容や財務内容を見て、割安・割高をはかる慎重な見方が広がると愕然とする。何でこんな割高な水準まで買ってしまったのだろうと。こうなると、あるべき水準はどこかというさすらいの旅に出ることになる。これまでも、何度となく経験された人もいるだろう。
 そういう目で中国株を見たらどうだろうか。中国の個別企業のことを我々はどれだけ知っているのだろうか。今投資しようとしているお金は「中国株だから」ということだけで、投資しても良いお金なのだろうか。放り込みで10年後を楽しみにしたいと、タイムカプセルを土に埋めるぐらいの気持ちであれば問題ないと思う。
 インサイダー取引、風説の流布、実態が伴わない業績数字など、現地にいても、真実を確認するのが困難な混乱状況にある中国株。「新興企業の株式は内容が当てにならないから」と敬遠し慎重な人が、「中国株は将来性があるから」、「新興国株式には未来があるから」とのめり込む様子に、戸惑いを感じているのは私だけではないと思います。
 「新興国株式は危ない」と言っているわけではありません。投資する水準次第では、魅力的な対象です。そんなに投資の成果をあせってはいませんからと5年を覚悟するのであれば、5年間待つ覚悟で割安になる場面の準備をした方が良いと私は思います。