先週はいったん円独歩安に修正がかかりましたが、米国金利の上昇で米ドルが買い戻されドル高が進行したのをきっかけに、円は再び独歩安になりました。121円48銭まであった米ドルは123円65銭まで、161円49銭まであったユーロは165円27銭まで。米ドルは4年半ぶりの円安水準に、ユーロは円に対して史上最高値を更新しました。
 金利は急に低下することはないでしょうが、ここから更に極端に上昇することはなさそうな気配です。
 個人的には、「これから更に円安に振れるなら、独歩安の天井を見てやれ」という気分で、水準としては妥当水準を越え、行き過ぎの範疇にかかったと思っています。しかし当面円高に振れる材料は見当たらず、むしろ年金問題など政治に波乱要因を抱えた参院選前に、日本を買う外国人投資家の手が止まれば、122円を固めて更に円安が進行する可能性もあります。
 一方で、ここまで円安が進行したら、外貨ベースでの日本資産への投資はかなり割安になっています。国内ではプチバブルと囁かれている日本の不動産に外国人投資家が積極的なのは、土地の値段の上昇よりも円安効果の方が大きくて割安に見えるからです。イギリスでの地下鉄初乗り運賃は4ポンド。実に日本円で1000円弱。裏を返せば、イギリス人にとって日本の地下鉄はえらい安いこと。これだけ便利で、綺麗で、サービスが行き届いていて、この値段。外国人にとっては驚きの安さだと思います。これは不動産も同様です。この4年間で円は大抵の主要通貨に対して、3割〜6割も安くなっています。しかも物価はいくらも上がっていない。バーゲンセールです。
 しかし私が外人投資家であれば、円が最弱通貨であるうちに、土地勘のない不動産よりも、国際競争力のある企業の株式の方が魅力的だと思います。目先下げる可能性があるため様子を見ていますが、下がらないと判断すれば投資したい銘柄はゴロゴロしているのではないでしょうか。しかし全ての銘柄が買われるわけではありません。あくまでも国際競争力のある銘柄です。外人投資家が日本企業の割安さに注目し動き出したとき、円の独歩安に巻き戻しが入るのではないかというのが、根拠のない私のドタ感です。
 アナリストの中には、日本企業のROEの低い企業を買うよりもアジアのROEの高い新興企業の方が魅力があるという人もいますが、私は逆だと思います。ROEが現在低いから高める余地があり有望だと考えられないでしょうか。
日本政府は真剣に考えるべきです。このまま円の独歩安を放置していたら、日本人は高くて海外の製品を買うことがますます困難になります。日本の大事な資産がいとも簡単に外国人のものになってしまいます。円安のデメリットを意識する頃合いになってきたのではないでしょうか。