サブプライム問題に端を発した相場の急変で、日本株の個別銘柄を見れば、割安な水準に入り出した銘柄も出始めているようなのに、株式専門家のコメントの多くが未だにチャート分析によるものが多いのが正直残念です。株価水準が財務内容や企業業績で説明がつきにくいぐらい割高な水準にあるときは、「どこまでの上昇が有り得るのか」というモノサシとしてチャートが利用されるのは理解できます。しかし現状のように、日本株の株価が玉石混淆で一様に売られている、「日本株売り」の状況にあり、短期間に急落している銘柄の中で業績面や財務内容などの観点から魅力のある銘柄は見つからないのでしょうか。日経平均株価で17000円を割り込む現状は、更に底割れを心配するほど慎重にならなければならない投資環境なのでしょうか。だとすれば専門家は、なぜこの短期間に、それほどまで相場の先行きを弱気に見るように転じたのか、その根拠を投資家に示すべきです。もしその根拠がチャートだけということであれば、更にがっかりです。おそらく、そんな専門家はいないと思いますが。
 相場が元気なとき、投資家の多くは専門家の意見を聞いても自分の都合の良いところしか残りません。相場が元気を失うと、専門家の意見が少なくなり、声も小さくなりがちです。投資家は「今後はどうなるのか」と一生懸命アンテナを張っているときに。そんなときに「下値メドはチャートで言うと・・・」という話しを聞いても、中長期で投資を考える投資家の気持ちを強くする機会にはなりません。
 「A社はこれまで業績期待により株価は割高な水準まで買われていたが、ここに来て全体の大きな株価調整に連れてだいぶ割高感が修正されてきた。あと200円も下げれば中長期で考えても十分持てる投資水準だろう。更に200円も下がれば業績面に加えて、配当利回りでも買える水準になるから、かなり割安だ」。そんな銘柄、今の日本株の中には見つけることは困難なのでしょうか。