相場の格言に「半値八掛け二割引で底を打つ」というものがあります。大相場が終わった後の下げメドとして、古くから伝わる格言です。100%×0.5×0.8×(1−0.2)=32%という計算になり、「高値から7割下げることもあるよ。投資するときはそれぐらいの覚悟を持ってしなよ」という、安易な投資姿勢を戒める言葉として私が大事にしている格言のひとつです。したがって、相場が天井に近いと考えている投資対象に新規に投資する際には、この言葉を噛みしめます。このリスクを受け止めたうえで「新規に投資する意味があるのか。下げ局面では買値にこだわらず、損切りができる自分なのか。そもそも他に投資する対象はないのか」を自問します。
 マザーズ・ヘラクレスは年初来安値となり2006年1月16日の高値からほぼ7割下落しました。ここまで下落すると、売る人は何かの事情で売らなければならない人ぐらいで売る気にもならない人が大半です。誰も注目していませんから、多少買ったぐらいではなかなか株価は上昇しません。どうしても人間動くものに注目しますから、せいぜい新規公開株(IPO)ぐらいに商いが集中する程度でしょう。したがって、短期で値上がり利益を狙いたい人向きの投資対象ではなくなりました。株価の値上がりを辛抱強く待てる人が、コツコツ手当てする対象です。
 ホリエモンショック前には新興株の株価がブンブン上昇していく熱気がありましたね。確か「新興株で儲けた金だ」と言って、東京タワーからお金をばらまいた個人投資家がいましたね。あれから1年そこそこの短い期間のうち7割も下げる羽目になると誰が想像できたのでしょうか。しかし「半値八掛け2割引」という格言が厳然と生き残っているように、過去何度も繰り返されている歴史があるんです。
 私は投資に慎重な人間ですから、売れ筋商品への新規投資は「今からでも大丈夫か」と非常に慎重に吟味します。大抵は様子を見てその後の値動きをしばらく観測します。そして「今投資対象として取り残されているものはないのか。そしてそれは何で取り残されているのか」を考えることにしています。売れ筋商品自体が悪いわけではなく、水準に慎重になっているのです。もちろん割安になれば新規投資を考えます。