先日ブログで、金融機関が自らの貸し渋り、貸しはがしにより、投資先であるファンドの存続を危うくする悪循環に陥っているという話題を取り上げました。金利が上昇しても借りられる先が存在すれば破綻は回避できますが、貸している先が貸す金額に制限を設けたり、貸しはがしの行動に走ると、借り入れで運用効率を上げていたレバレッジの高いファンドは運用どころではなくなります。
現金を用意して返済の準備をしなければなりません。元々流動性の薄い投資対象を無理矢理売却しようとすると、買い手は当然値段を叩きます。それでも買い手が現れればまだ良い方で、現在の状況では買い手は様子見を決め込み、実際は売ること自体が困難でしょう。さらにそういう投資対象は借り入れの担保からも外されてしまうから、ますます現金を多く準備しなければなりません。
 クレジットクランチはこのように「信用の危機」を指し、本来お金を融通する仲介にあるべき金融機関が役割を果たさず機能しない状況。こうならないように、日米欧の中央銀行は連日資金供給を行って危機の沈静化に一生懸命です。金融機関が保身ではなく、リスクに見合った金融の役割・役目を冷静に果たしてもらいたいと思います。
 ところで本日日経記事で、国内最大の民間年金基金の企業年金連合会が2008年度から不動産開発への投資を始めると報道あり。92年度に不動産市況悪化で運用を停止した。「今度は失敗しないぞ」ということだが、不動産の運用を自分でやらなければ理由がどこにあるのだろうか。既存の国内リートは当てに出来ないと言うことだろうか。「不動産の値上がり利益を狙わず、賃料収入の獲得だけを目的にする」ということだが、現在の国内リートへの投資はその目的からずれてしまうということだろうか。私は国内リートへの投資がこの目的に当てはまらないとは思いません。現在の割高な水準でこれから投資を開始することが問題だと思っています。つまり国内リートに投資しようが、自分で不動産開発に取り組もうが、割高な水準で投資することに変わりはなく、「何でこの時期に、中長期投資で不動産投資のプロでもない」企業年金連合会が大事な企業年金基金の資金を振り向ける判断をするのか、正直腑に落ちない点です。それこそ、この判断は年金者のため、なのでしょうか。