昨日発表された4−6月期の全産業の設備投資が前年同期比で4.9%減、2003年1−3月期以来17期ぶりのマイナスになりました。90年代の失われた10年は設備投資の灯が消え、個人消費の灯が消え、設備、人員、負債の過剰が日本経済の活気を奪い去った結果です。今回の大幅減の背景は、不動産・サービスなど非製造業の前年数字が好調だった反動だと説明がされていました。ここで必要なのは「それでは前年特に好調だった不動産・リースの数字が異常数字だったのか」という検証ではないでしょうか?不動産もリースも、ある意味で市況産業の代表です。「今売っておかないと売り時を逸してしまう」と不動産用地の取得・確保を急いだり、建機を先に確保したり、業界全体の動きになりがちです。もしそれが前年に起こっていたとしたら・・・。昨年以上の環境に回復するのにどれくらいの時間を必要とするのでしょうか?
 本日の日経朝刊記事では「木造住宅構造材が全面安、9月着工急減、秋需見込めず」とありました。7月の新設住宅着工戸数は前年同月比23%減、減少率は約10年ぶりの大きさらしいです。マンションの都心回帰、居住性、性能価格比較で、木造戸建ての苦戦状態が続いています。
 ただ単に戸建て住宅からマンションへの需要の移り変わりであれば深刻ではない話だと思いますが、不動産需要の縮小が背景でパイの奪い合いの結果だとしたら、そうそう楽観してはいられません。家を買えば、引っ越しをすれば、そこには必ず新しいものが欲しくなります。家具、カーテン、電化製品、果ては車まで。個人消費をこれまで引っ張ってきた大きな原動力になってきました。
 それでは何故家が売れにくくなってきたのでしょう。住宅の過剰供給であれば、値段が下がれば需要が戻ってきます。しかし個人の可処分所得の減少、将来対する不安増加による買い控えが背景であれば、値段を下げても容易に需要は回復しません。もしそうであれば、いままで一緒に売れていた商品群の売り上げにも影響するでしょう。
 そしてまた、こうした現象は日本だけのものでしょうか?世界的な不動産ブームでした。
 ここは景気の踊り場。大事な場面を迎えています。その大事な場面で、強力なリーダシップを持つ存在が見当たらないのは残念なことです。大きく増やす機会は今後何度でもありますから、ここは大きく負けない運用を心がけた方が良さそうです。