以前ファーストリテーリング(ユニクロ)が高級野菜のマーケットに参入するという話しを聞いたときに「何で高級野菜?いつ野菜のプロになったのか?ファーストリテーリングクラスの能力があれば、準備も経験もなしに成功できるマーケットなのか????」と大いに疑問に思いました。
 三越など老舗百貨店は最近でこそ少し復活してきましたが、長らく百貨店業界は人もうらやむブランド力と立地条件にあぐらをかいていました。全体の商品戦略を描かず名前と土地を貸して、見返りにテナントの売り上げからピンハネして収益の糧とする安易な戦略を取り、更にブランド力を高める努力を怠ってきた結果、大事なブランド力を落としてしまいました。
 ヤマダ電機が最近車周辺機器まで扱うようになっただけでも違和感があったのに、品揃えとして「雑貨」や「家具」まで広げるとのこと。お近くにヤマダ電機がない人は「ヨドバシカメラ」や「ビックカメラ」をイメージしてください。小売業ではセブン&アイホールディングス、イオンに次いで売上高が大きな電機量販店です。私はよくヤマダ電機を利用します。以前は価格の安さが売りでしたが、今ではびっくりするほどの安さではなくなりました。安さで競争できる余地がさほどない限界に近づいているのだと思います。したがって、これまでの「電機・家電」だけではなく、「家具」も「雑貨」もと手を広げたい気持ちも理解できます。しかしさきほどのファーストリテーリングと同様に、「家具」や「雑貨」の質を見る目利きとしての力、顧客ニーズに合わせた商品開発能力など、プロの仕事を行うのに必要な素地があるのでしょうか。ただ腕力にものを言わせて「価格が安い品物を提供をする」ではなく、「良い品物、本物を安く」が消費者から求められています。100円ショップがいい例です。「これが100円?!」と消費者に価値を実感させる商品力がない店は淘汰されています。
 ヤマダ電機の売り上げは1兆4千億円。小売業には1兆円の壁というものがあるそうで、これを超えるのは大変、超えた後維持するのはもっと大変らしいです。私の個人的な感想ですから、ヤマダ電機の利用者がみんな思っているかどうかわかりませんが、私はヤマダ電機に対して「まずは、もっと本業を大事にして欲しい」ということです。ヤマダ電機に行けば、ただ安いだけではなく、丁寧な説明があり、アフターフォローも親切、電機・家電のことならヤマダ電機ひとつあれば大丈夫だと思われるぐらい徹底したサービスを、「家電・電機量販店のトップ企業」として目指してもらいたい。そのヤマダ電機が「家具」や「雑貨」を取り上げるなら、私は引き続きヤマダ電機を頼りにするでしょう。大きくなってしまったが故に、原点回帰が必要なのではないかと感じました。何でもヤマダ電機で考えてきた利用者の一人でしたが、最近ヤマダ電機の店頭を訪ねるたびに「あれっ?これで大丈夫」と感じることが多くなりました。
 ところで、NY原油が終値ベースで史上最高値を更新しました。サブプライム問題で揺れている最中、米国の次回FRBでは0.25%ではなく、0.5%のFFレートの引き下げが決定されることを期待して市場は動いています。目先の市場の動揺を沈静化させるためにはFFレートの引き下げは必要、一方でインフレ懸念を無視できる状況でもなし。市場が動揺する中で、もしインフレ懸念が燃え上がったら、投資環境は崩落し全てを台無しにしかねない恐れがあります。
 私はFFレートを引き下げるのであれば、意外感を伴うタイミングで行わなければ市場の動揺を沈静化させる意味があまりないため、引き下げるのであれば「緊急利下げ」しかないと思っていました。しかし、これまで何度もそういう機会があったと思いますが、結局FRBは動きませんでした。市場で予想されている通り、次回定時の決定会合で粛々とFFレートが引き下げられるのでしょうか?個人的にはまだ疑っています。「引き下げるなら緊急引き下げ。定時の決定会合で引き下げが行われる可能性は低い」。それだけ、FRBは引き下げ決定に迷っていると言うことかも知れません。
 我々は「次回決定会合でFFレートが0.5%引き下げる」というシナリオが狂った場合のことも考えておく必要があるでしょう。