投資信託を購入するときに私たちは販売金融機関に対して「購入手数料」を支払います。これは、投資信託を購入する判断をするまでのサポート、及び事務手続きに対する対価です。しかし、最近では購入手数料をゼロにする「ノーロード投信」を前面に出して、販促する金融機関が増えてきました。購入手数料は取扱金融機関ごとに決められますので、まちまちな設定でOKなのですが、同じ投資信託で「手数料がかかるもの」と「かからないもの」が存在するのであれば、販売金融機関側は「手数料を取る意味」、そして「手数料を取らなくても販売する意味」をちゃんと投資家に説明する必要があるでしょう。
 手数料を取らない「ノーロード投信」を販売する金融機関は「投資信託を購入する判断をするまでのサポート」はそれほど期待してもらっては困る、手数料を取る投信を販売する金融機関は「投資信託を購入する判断をするまでのサポート」が充実している、という違いなのでしょうか。
 本日日経記事には、大和証券が投資信託だけで顧客の目的にあった資産配分を提案するファンドラップの最低契約金額を500万円に引き下げるとありました。購入手数料はなく、コストは契約資産の最大年1.4%を管理費用、そして投資信託の運用・管理に伴う費用として個別投資信託にかかる信託報酬があります。
 投資家は金融機関の販売窓口に対し、投資家の相談を受け付けてくれる相談窓口としての役目を期待しているのではないでしょうか。もし「余りリスクを取るつもりはないけど、円資産だけでは不安なので」と相談を受ければ、販売窓口の現場では現在でも、国際分散投資の考え方などを説明し、具体的な商品提案まで行っているのではないでしょうか。受け付ける側の経験値など能力に差があるのかも知れませんが、500万円まで下がったファンドラップと金融機関販売窓口でアドバイスを受けて分散投資して購入する投資信託とどう異なるのでしょうか?むしろいくら投資信託を組み替えても、年間手数料が最大1.4%で決まっているファンドラップのほうがコスト面では割安であるかもしれません。
 私はいっそのこと、購入手数料という名称ではなく、販売金融機関が最低限投資家に提供しなければならないサービスの対価として取次事務手数料としたほうがわかりやすいのではないでしょうか。
 そしてアドバイスを期待する投資家は、アドバイス内容を吟味して年間運用・管理手数料を払うファンドラップを選択する。運用・管理に自信があり、サービスに実績があるところは手数料を高めに設定し、自信のないところはそれなりの手数料を設定する。
 助言能力は目に見える形で説明することは難しいですが、事務手数料であれば投資家にも何となく費用として理解できます。それを「ただ」にするところがあっても、それもやりかたでしょう。
ただ現在のように、購入手数料の内訳に、事務手続き以外のものとして、何が入っていて、何が入ってないのかが明確ではないため、投資家は購入手数料の割高、割安を比較することが困難です。夫婦の亀裂は「そんなことまで言わなくてもわかるだろう?」というアウンの呼吸を互いに期待しすぎた結果であること多い(?)と思います。金融機関と投資家の間で、同じようなミスマッチが起こっているように感じます。「サービスの対価として顧客が納得する手数料を設定する」、「顧客に納得してもらうためにサービスの価値を説明する」。これって、サービス業として当たり前だし、曖昧にしていて良いことではありませんよね。
 ファンドラップの最低契約額が100万円になったら・・・。大和証券は投資家に「本来の手数料のあり方」を訴えたくて500万円のファンドラップを誕生させたのでしょうか?買いかぶりかな。