9月に入って、私のクライアントから「●●っていう変額個人年金を勧められているんですけど、これってどんなものですか?私に向いているものでしょうか?」という質問が何件かはいるようになりました。私のクライアントの多くは「投資するときはFPに相談している」と金融機関の担当者に伝えていますので、「最近では金融機関からの勧誘がめっきり減りました」と話しをされていました。ところがこの9月は、そんな私のクライアントにまで、銀行、証券会社を問わず、攻勢が増えた模様です。
 9月30日に金融商品取引法が完全施行され、投資家の目的に沿った金融商品を案内すること、どんなリスクが存在し、どの程度のリスクの大きさなのか、そしてその金融商品を購入することでどんなコストを投資家が負担するのかを、投資家が理解できるまで説明することが求められ、それに違反した場合は、金融機関に対して行政処分、個人に対しては刑事罰までかかるようになります。
 したがって10月以降は、金融商品の内容が理解できない投資家は新規に金融商品を購入することができなくなります。「よくわからないけど、それでいい」という投資家には、再度説明し、それでも理解できない方には購入をご遠慮願う形になります。
 10月から口座を設定するにも、同じ金融商品を購入するにも、金融機関から投資家に確認する内容は増えますし、投資家に書いてもらう書類も増えます。説明や手続きにかかる時間が相当増えることが予想されます。
 そのため金融機関の一部は、9月中に金融商品を約定してもらおうと、これまで可能性を残した見込み顧客に総掛かりで攻勢をかけてきたのではないか推察できます。
 それはそれで営業戦略ですから意図は理解できるのですが、正直、私のクライアントである投資家と交わされた商品やリスクの説明は十分ではありませんでしたし、何よりもコストの説明はなかったに等しいお粗末なものでした。おそらく担当者は話しているうちに「このお客さんは脈がないな」と、次のお客様に気が移っていたのかも知れません。
 そこで私はクライアントに、金融商品取引法の施行が迫っていること、それにより何が変わるのかを簡単に説明したところ、その方の答えは明快でした。
 「わかりました。10月になったら改めて検討したいと思います」と相手に伝えますと。
 金融商品取引法が施行されたあとも、同様に勧めてくれるのであれば投資家のニーズのため、ぱったり何も言わなくなったら自己都合のため。金融機関の本気度を確認したいという考えです。
金融機関の皆さん、試されてますよ。場当たり的な対応は裏目に出ることを肝に銘じておきましょう。