ニューヨークダウは14000ドル手前、日経平均株価は17000円手前と、株価は堅調な位置。為替は総じて円安基調で推移しています。表面上では相場に安心感が戻った風ですが、昨日米国FRBは2001年9月の同時テロ発生直後に混乱を収めるために行った大量の資金供給に近い額の資金供給を行いました。8月9日の相場急変以降、こうした相場の急変を抑える陰の力あり、相場が支えられてきたことを知っておく必要があります。本日は日本の特殊日。9月決算月最終日です。本日の為替や株価の水準は決算数字に直接影響を与える大事な日です。日本銀行は本日早々1兆円の資金供給を行っています。元気が戻ったように見える相場の姿は、こうした「カンフル剤」なしには語れません。
 我々はわからないことを判断するときや安心したいときに、権威ある人や組織の意見を重宝にすることがあります。しかし、わからないことは専門家にとってもやはりわからないことなんです。ただ少し先が見えているだけ。当たる確証があるわけではなく、過大な期待をかけないほうが良さそうです。
 
 格付け機関という専門家が「債券を購入した場合に元利金を投資家に返済する能力の確かさ」を「格付け」という記号で示し、これまで債券投資を行う投資家のモノサシとして、重宝されてきました。AAA(トリプルエー)というのが最高格付けで、米国などの先進主要国の国債やトヨタなどの財務内容がしっかりして倒産なんか考えられない企業が格付けされています。一方BB(ダブルビー)以下は投機的格付けと言って、「元利金の返済能力に問題あり」という破綻懸念があるという格付けです。最近はプロの投資家でさえ、内容がわかりにくい複雑な仕組みの債券が出回り、この格付け表示を信じて投資しているのが現状でした。
 しかし今朝の日経朝刊記事には「証券化商品、10段階格下げ。2ヶ月で格付けAAAがBB+に」とありました。破綻リスクが全くないと安心しきっていた債券が、たった2ヶ月で破綻懸念がある債券という評価に変わってしまったという大事です。私が今回サブプライム問題で一番根が深い問題は、「リスクを取っているつもりがない投資家が破綻リスクに晒されている」点だと考えます。ハイリスク・ハイリターンを承知でサブプライムローン関連商品に投資している人にとって、たとえ破綻して大損をしようとも覚悟の上ですから問題ではありません。そうでない人は「多少の損であっても、損を意識して投資していたわけではない」ので、精神的なショックは相当なものだと察します。格付けAAAだった債券が2ヶ月でBB+になってしまい、「そんな危険な債券に投資してプロとして恥ずかしくないのか」と言われても、担当者が気の毒です。もっと最悪なのは、自分に被害が及ぶとは想像だにしていない素人の方の投資にも同じ事が発生するかも知れないということです。
 今各国中央銀行・政府(日本は第三者的ですが)は、無闇に市場が混乱し、疑心暗鬼になって、暴れ出さないように、混乱を抑えるために、言いたいことも言わず、黙々と不安の芽をモグラたたきのように叩いているように、私には見えます。
 「カンフル剤を打って毎日開いている相場」ですから、我々は値動きばかりに一喜一憂せず、今の投資内容は自分にとって適正な水準なのか、もっと投資余地があるのか、それとも既に過大になっているのか、をその都度自己チェックしながら相場と付き合うことが大事だと思います。