ニューヨークダウが新高値を更新する?
 金融大手UBSやシティグループが7−9月期の決算でサブプライム関連の損失を大幅に計上し、最悪期は脱した。米国住宅市場の停滞は極まり、米国FRBは更に政策金利を引き下げざるを得ず、今後の金融支援の方向性は変わらず。「米国株式は買いだあ!!」というムード買いで熱を帯びた状態。これって「変じゃない?変だよ」というのが私の感想です。
 むしろUBSやシティグループのサブプライム関連の大幅損失を計上した発表により、他の金融機関も損失を計上しやすくなった。損失を計上したと言うことは損を隠す必要がなくなるため、抱えている不良債権になった投資商品の処分が増える。処分で市場での売買が増えて実勢価格が定まっていき、これまで評価がまちまちであてにならない評価損が実際に近い損失額が見えてくる。こうした流れにより、市場は初めてサブプライム関連の全容を受け止め消化し始めるのではないでしょうか。つまり、これからが本番であって、「最悪期を脱した宣言」はまだ時期尚早ではないでしょうか。にもかかわらず、こうした発言が多いのは、「そうとでも考えないとニューヨークダウ株価がこの時期に新高値を更新する理由付けができない」という結果から見た、後付け解釈だという気がしてなりません。もしニューヨークダウ株価が急落していたら、多分専門家の言い方は真逆の話しを取り上げたと思います。
 今の相場は理屈通りにいきません。おそらく常識人ほど儲からない相場だと思います。自分の感覚を信じて、「これは割高だろう」と感じて納得いく水準では利益確定をお勧めします。
 それと米シティの日興コーディアルグループ完全子会社化の話。個人的には、「何でこの時期に」という変な印象を受けています。シティが日興コーディアルグループとの日本における事業展開で「これならシティが背景になったほうが心強い」と日興コーディアルグループの株主が喜んで三角合併を支持する素地が必要だと思います。まだそれを株主が判断するには何の実績もありません。シティと日興コーディアルグループでの共同作業は正に始まったばかりです。もしシティが日本で金融機関として根ざす存在を目指すのであれば、日本の株主、日本人の思いを無視して達成できるはずがありません。今後も日興コーディアル証券は上場会社として、株主の厳しい意見に耳を傾け、シティが本当の日本の金融機関として支持されるまで、じっくり腰を据えた姿勢を見せていただきたいと思います。「日本の面倒くさい株主はシティの事業展開に邪魔だと言うことか」と、日本の株主に反感を持たれるやり方は、シティにとっても、株主にとっても得策ではありません。もっと完全子会社に向けて、納得いく丁寧な説明責任を果たしてもらいたいと思います。