私はインターネット取引で投資を行うことに限界がきていると思います。これだけインターネット取引の手数料引き下げ競争が激しくなり、しかもシステムトラブルになると会社としての存亡が危うくなるような緊張を常に抱え、ほんとにこの業界に先があるのかと心配するほど元気がなくなっている様子です。会社が突然営業停止になれば、一番迷惑がかかるのは取引している投資家です。
 「この程度の助言レベルなら高い手数料を払って大手証券と取引するよりも、手数料の安いインターネット専業会社のほうがいい」という投資家の流れに変化が見えます。本日日経朝刊記事にもありましたが、「ネット取引で投資を始めた個人から、有人店舗の窓口で詳しい投資相談に乗って欲しい」という声があったり、インターネット専業証券会社でも、投資家が立ち寄れる店舗を出したりするようになってきました。
 テレビやカメラを買うのでも、どんなものが良いのか、店員さんに聞いたり、インターネットで調べたり、詳しい友人に相談したりします。同じ値段帯のものを選べば、おそらく機能にさほど格差がないだろう家電製品でもそうなのです。ましてや投資は家電製品とは違って「買った途端に不安になる」特別な商品です。当然買う前に助言をもらい、買った後に助言をもらい、売るときにも助言をもらいたい、そんな商品だと思います。それも命の次に大事な自分の財産、大きな買い物です。その大事な選択をするときに、人のアドバイスがもらえるに越したことがないでしょう。
 
 「どこに行ったら投資の助言がもらえますか」と、これまで山ほどの問い合わせを受けました。誰もが金融機関の窓口に相談する場所があることを知っているのに。
 こんなにニーズがあるのに、そのニーズに応えようと窓口を構えてもいるのに利用されていない。これって非常に大きな課題であり、チャンスの種だと思います。
 証券会社の国内店舗はピークの1992年に約3300店舗あったようですが、2004年には2000店舗程度に減り、現在は2200店舗程度に戻ってきているらしいです。店舗が少なくなったから、窓口に相談する人が減ってきたのでしょうか。店舗を増やせば窓口で相談したい人のニーズに応えていけるのでしょうか。
 何よりも投資家が金融機関の窓口に相談したいという気持ちになれないのはどこに原因があるのか、投資家の気持ちを把握し、配慮がなければ、有人店舗を増やしても効果は期待できないのではないでしょうか。
 「金融機関の窓口に相談したら、こんなことも教えてくれた」という投資家のサプライズが口コミで広がるような店舗作りが理想だと思います。